2020年07月04日
未使用のカラクリ
火縄銃の面白いカラクリを手に入れたので紹介します。
画像の外記カラクリですが、火挟を固定する横鋲にその横鋲を銃床に固定するための矢倉鋲の通る穴が開いていません。
このカラクリは銃に組込まれたことが無く、銃床に横鋲を入れてから銃床と通しで穴を開けるであろうことが裏付けられるのではないかと思います。
盗人金の引き金に当たる部分は上のカラクリのように曲げられるはずが、
今回の下のカラクリは真っ直ぐなままです。
銃床に合わせる前は横鋲に穴を開けず、盗人金が真っ直ぐなままカラクリが作られるとわかります。
火挟と松葉バネが無いのは残念で、組み込み前に火挟がどの程度曲げられているのか、
松葉バネには胴金用の溝が入れてあるのか気になるところです。
このカラクリには金具師の刻印で扇型の中に三枚の葉(だと思う)のマークがあります。
カラクリ単体で製作者がわかるようになっているとすると、
現代の感覚からするとカラクリ単体での販売や供給もあったのかもしれないと思ってしまったり。
銃を作る人が最初から銃に合わせて知り合いの職人にカラクリの製作を頼むのではなく、
出来ているカラクリの中から信用できる職人のを選んで組合わせると。
実際のところはわかりませんけどね。
全体は経年によりくすんでいますが、分解すると部品同士当たっていたところは空気に触れにくいため酸化せずに光り輝いています。
信じがたいことですね。
Posted by ラスティネイル at 02:55│Comments(2)
│古式銃
この記事へのコメント
面白いものですね。
現代ですとAR-15のカスタムトリガーセットやSIG P320のようにインナーフレーム+アクションが銃本体になる構成のような…
完成品の火縄銃がある一方、好みの部品を組み上げるカスタマイズもあったのは、かつての日本人の追究ぶりもなかなかのものと思います。
現代ですとAR-15のカスタムトリガーセットやSIG P320のようにインナーフレーム+アクションが銃本体になる構成のような…
完成品の火縄銃がある一方、好みの部品を組み上げるカスタマイズもあったのは、かつての日本人の追究ぶりもなかなかのものと思います。
Posted by 都内在住 at 2020年07月04日 07:26
実際にどう売られていたのかは文献でもないとわからないんですけど、色々と想像してしまいますね。
そもそもが注文主が仕様を決めた銃が多く、銃身の銘もあったりなかったり。
堺筒なんかは完成品を売るために華美になっているイメージですが。
探究心のある人が多かったのでしょうね。
何でも必要以上でも究めていきたい性格とと言いますか。
そもそもが注文主が仕様を決めた銃が多く、銃身の銘もあったりなかったり。
堺筒なんかは完成品を売るために華美になっているイメージですが。
探究心のある人が多かったのでしょうね。
何でも必要以上でも究めていきたい性格とと言いますか。
Posted by ラスティネイル
at 2020年07月04日 19:10
