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2024年01月07日

三役こなす火薬入れ

新年の挨拶すらサボってしまいましたが、本年もよろしくお願いいたします。
更新していないサイトの中では新年の挨拶だけ毎年していて、
年一の更新が生存報告みたいになっているところもありますよね。
今年は週に一度の更新を目標にしていきます。
以前、そうした年は守れているわけではなくとも更新頻度が増やせました。

さて、面白い火薬入れが手に入ったので紹介します。
蓋もないし、状態も悪いものですけどね。
前所有者は福島の有名な人ですので、保管するほどではなかったのかなぁとか思いつつ。


玉薬(推進薬)、口薬(点火薬と言うのは火元は火縄ですね)、弾丸の三点、
火縄銃の射撃に必要な弾薬すべてを納められる火薬入れです。
蓋も無いし、弾丸を咥えるところは折れていますが。


弾丸を咥えるところは2発分ですね。
弾性で固定されているようになっていますが、古くなると折れてしまいやすいと。


真ん中が口薬、両サイドは玉薬です。
玉薬は2発分ですね。
銃口に注ぎやすいようにか斜めにカットされています。


口薬を入れるところは外から見ると大きいですが、穴はそんなに大きくありません。
まあ、少しあれば何発分も使えますから、口薬はしばらく補充が要らないでしょう。
一回の射撃の機会が終われば、弾丸と玉薬だけ補充と。
2発分の準備しかないところをみると戦や射的に適さず、
狩猟用と考えるのが自然ではないかと思います。


口薬を入れるところの大蓋には細長い何かが着いています。
元はもう少し先端に何かがあって、目的があったのではないかと思います。
火薬入れ内で固まった口薬を混ぜるとか。

小物まで集めだすと大変なことになるので基本は買いませんが、面白かったので買ってしまいました。  

Posted by ラスティネイル at 01:48Comments(2)古式銃

2023年11月29日

国友九十郎 正義の火縄銃


先日入手した江州国友九十郎 正義という銘の火縄銃です。
昭和35年登録で登録が古めです。



以前から持っていた刃鉄巻 唖鍛冶久左衛門 信次 花押という銘のカラクリとデザインが近いのが気になったんですよね。
構造はカニ目のある内カラクリと二重ゼンマイカラクリで違うんですけど。
火挟を止める軸の頭が大きくて平べったいのが特徴で、火挟も棒の部分が左右が薄い形状になっています。
基本、今回手に入れた国友を下に並べるように載せていきます。



それで火挟が一度外に向かってから内側に帰っていくようにくねくねしているのが、オリジナルか疑問に思っていた特徴だったのですが、
同じデザインで同じように曲がっているのでちゃんと最初から意図されたものだったと確認できました。
胴金の横を通って避けているのでしょう。
多くの銃は上を通りますが、余計に出っ張ると言えなくもない。


火挟の上がる量も珍しいぐらい大きいです。



銃としての良し悪しは別として、国友の方が新しくて洗練されたデザインに思えます。


銘もはっきりして読みやすいです。
刃金巻の方は巻張の模様が見えていますね。


口径も射的筒と実用品の違いがありますね。


今回の国友の方は火挟の火皿に当たる部分に段差が付いていて、
根元の厚い部分だけ火皿に当たり、先端の薄くなっている部分は当たらないようになっています。
空撃ちでの変形防止でしょうか。


台師は大嶋吉兵衛です。





カラクリの構造は土佐筒とおなじようなものです。
金具師の刻印もあるので、銃身、銃床、カラクリのすべてに名前が入っていると。



口径は8.5mmの一匁程度ですね。
多少は巣口が広がっていますが良い状態です。
カラクリのデザインを気にしていましたが、好みの小口径で気に入りました。


銃床の先が銃身の飾りの太くなっている部分がぴったりの位置です。
木が縮んで隙間があるものが多いですが、これはそれが無く目釘の穴も位置が合っています。
カルカが鉄製なのは後から適当に合わせたように思えますが、
ちょっと古そうな感じはしますね。


火道は拡がり気味ですがそのまま使えなくもない程度。



芝引の金具の鋲が一本無いのと銃床が一部割れているのぐらいが欠点しょうか。
割れはそのうち接着しておいた方が良さそうですね。


銃身の一部は製作時の仕上げが残っているようです。
一番細いところで14.5mm程度。
やはり一番肉厚が薄いところで3mm程度なのは標準的な感じです。



尾栓は開けようとして変形した痕がちょっとあったので開けにくいかと思えば、
形状に合わせて当たるレンチで回したら案外簡単に外れました。
ネジ部は墨やタールみたいなものがオネジにもメネジにもついていました。
以前から何かが炭化したのではないかというものはありましたが、
この感じからすると故意に塗ってあるように思えますね。
気密の確保、ネジの固着や錆の防止のために。
ネジのかかりはそんなに深くなさそうです。
元々そういう感じなのでしょう。

カラクリに形状目当ての銃でしたが、小口径ですぐ撃てるぐらい状態が良いので幸運でした。  

Posted by ラスティネイル at 23:11Comments(0)古式銃

2023年11月28日

スポッティングスコープ

数カ月放置したり、連続で更新するのももはや平常運転な当ブログです。


前から使っていたスポッティングスコープが使いづらかったので買い替えを考えていました。
6mmの穴を見るにはちょっと見にくかったですしね。
条件として
・テーブルに載せて使えるサイズ
・上から覗けること
・ちゃんと見えること
でアマゾンで探してみました。

探していたらプリズム式のがコンパクトで視野角も広いのでそれにしてみました。
対物レンズ径も70mmと十分で値段も1.5万円ぐらいならそこそこ見えるだろうと。
Hensoldtのプリズム式でプリズム式も好きになっていましたしね。
2000円割引だったのは運が良かったです。



届いてみると思っていたより大きい。
レンズが大径だから仕方がないでしょうか。
今までの物とあんまり変わりませんね。


実際に使ってみるとちゃんと机に置けるサイズですね。
まあ、ほとんど三脚のサイズで決まる部分もありますが。
上から覗けるタイプは顔を真後ろの低い位置まで持って行かなくていいので楽ですね。
視野の広さも見えやすさも問題なかったので良い買い物でした。
本当に良いものを買うと結構な値段になってしまいますしね、これぐらいで満足です。
なお、手持ちの良いライフルスコープを持って行った方が倍率が低くとも見やすいんじゃないかという説も・・・  

Posted by ラスティネイル at 23:01Comments(0)古式銃

2023年11月27日

初の大会


昨日、日本前装銃射撃連盟の大会に参加してきました。
火縄銃の多くの試合は50m先の目標に13発を30分で撃って、点の高い10発の合計点を競います。
100点満点です。

私の結果は立射が4点、膝射が16点でした。
ちなみに、入賞者は70点台とか80点台とか。
さすがにここまで低い点数になると思ってたら参加する気になれなかったですね。
練習不足が露呈して恥ずかしいところ。


立射から始まって一発目から弾痕なしで着弾不明。
仕方がないので続けて撃って3発目か4発目で右下の4点に当たるものの、その後もちゃんと当たらず。
6発撃ったあたりから悩みながら撃っていたら数が全然撃てないなと、とにかく急ぎ目に撃ち続けても点数は増えず。
数発撃ってまともに当たらないあたりで点数を諦めていますが、既定の数も撃てていないと寂しいですからね。
もっとも、的に弾痕が無いと何発撃ったのかすらわかりませんけど。
残り3分を切ったあたりで11発目を撃ち、終了時間に弾が装填されていると困るかもしれないので射撃終了にしました。
13発を30分なら元々が一発あたり2分ちょいなので、もう一発は撃てたかもしれませんね。
まあ、慣れてない初心者で焦っても危ないだけなので無理はせず。
余裕がないときも余裕を持った行動を。
ちなみに、装填して撃たずに終わると、終了後に撃って弾を抜かせてもらえるようです。
4点以外にも的紙にはあと2発着弾しましたが、撃ち損じた結果の着弾の気もします。
的紙の大きさは90cm角です。

不発が無いように火縄の先の状態を整えつつ撃つと時間がかかっている気がしますね。
もっとも、その状態で不発にどのような影響を与えるのかは全然わからないのですが。


次に膝射ですが、13発全部撃つことを目標に。
最初は普通に撃ってやはり当たらず、ちょっと上下に狙いを探りながら撃ち始め、
7発目か8発目の上の方を狙ったときに下の3点に当たりました。
これはもしやずっと地面を掘っていたのではないかと思いいたることに。
初めての大会の緊張で力み過ぎて反動による跳ね上がりを押さえすぎているのではと考え、左手の力を抜いて撃ったら、少し下ですが着弾。
当たらなかった理由が分かったところで時間がなくなっていたので残りは着弾確認せずに力を入れずに撃って13発撃ち切りました。
ちょっと時間に余裕を感じるぐらい余りましたね。
結果は4発着弾の16点でした。
立射よりは随分と良くなりましたね・・・

口径6mmの火縄銃にパッチです包んだ5.5mmで1gの弾と1gの火薬を装填して撃っています。
22LRの半分の重さの弾と3倍の火薬です。
その程度の威力だから反動なんて無いものだと思って撃っていましたが。
反動を押さえるのと押さえないので50mで数十センチも着弾が変わるとは驚きですね。
大会終了後の後片付けでも的の前に盛られた土に着弾の穴を確認しました。
本当に土を掘っていたわけです。
これが試合に参加してみて初めて分かったことですが、私はどうやら本番にとても弱いらしい。
練習で克服するか、試合に慣れて緊張しないようになるかですね。

膝射に的を回収するときに隣の方と的に着弾していないという話になり、実は小さなが穴が開いてるんですよと。
そしたら、穴が小さくて見えなかった、立射でその方の的に不思議な小さな穴が開いていると思ってたということで・・・隣の方の的を撃っていたことがわかりました。
後半の急いで撃っている時でしょうか。
迷惑をおかけして申し訳ないです。
幸い、口径が倍以上小さいので見分けが簡単につきましたが、口径が近いとわからなくなりますね。
今後は気を付けないといけませんね。やっぱり焦りは良くないとも。
ちなみに、隣の的を撃ったら申告するもので、申告しないと失格になることもあるとか。
それも同じぐらいの口径だと見分けがつかなそうですが。
4発も着弾していたそうなので、自分の的への着弾より多い・・・
最後の方の点数をあまり気にせず撃っていた時は変に力が入らず、地面に行かなかったのかもしれませんね。


前日の練習で使用した的です。
会員の方が使ったのを練習用にもらったのでシールでその方の開けた穴をテープで塞いでいます。
火縄銃でも当たるものですね。
これは84点ですが91点のも見せてもらいました。
最初に六時照準したら黒枠より下に着弾。
リアサイトを立てて遠射用にしてたら黒枠には入るものの下の方でした。
前に練習したときよりやたら着弾が下ですが、たまにエラーで上の方に行っていますね。
立射と膝射を混ぜながら31発撃って見えにくいですが22発が的紙に着弾。
今から考えると膝射で的の下を通ったものが何発かあったのかもしれません。
その日は今までより下に当たるのを不思議に思いつつ迷いつつ、今までの実績を信じるか、ズレている分だけ修正するか。
下に着弾するのは事実だから大会当日は修正分だけ上を狙うことを決めて撃っていましたが、結局駄目でしたね。

次の試合は隣の的を撃たないことと、練習と同じ力加減で撃てるようにすることですね。
今までは反動の影響がないと信じていて、練習で気軽に撃っていた時は前装銃用の55%ぐらいのサイズしかない小さな的にも結構入っていたのですけど、
試合は上手くいかないものです。

その他所感。
装填時にカルカで天井を突いてしまったり。
そういう意味でも火縄銃は狭いところが苦手ですね。
左の人の火皿から飛び出た何かが頬や耳にパチパチ当たって痛い。
目に入ると危ないかもしれません。
隣との距離は2mぐらいでしょうか。  

Posted by ラスティネイル at 22:04Comments(0)古式銃

2023年10月08日

ピーボディ銃の機関部


今日はピーボディ銃の機関部の錆取りと調整を行っていました。
この時代の日本人でそんなことやっている人は他にいないでしょう。


後方に軸のあるブリーチブロックがレバーを引くと下がるシンプルな構成。
ブリーチブロック下にあるつっかえ棒みたいな部品がロックして、
レバーがそれを解除してからブリーチブロックを下げるのだと思っていたのですが、
実物はレバーはブリーチブロックにしか当たらず、つっかえ棒みたいな部品はクリックぐらいの効果です。
レバーを操作しなくても、ブリーチブロックを上から叩けば動きます。
改めて構造図を見ると、確かに完全にロックされる位置関係にない。
それで事足りるのでしょうけど、つまらないですね。
ちなみに、そのつっかえ棒の当たる部品はフレームに横から差しているネジなのですが、
ネジの周りにスリーブが付いていて、回転するローラーになっているのも発見でした。


新しそうに見えますが1862年特許の銃です。


サイトはエンフィールド銃より立派。

15万円程で購入した銃ですが、手入れに同じぐらいの額と手間がかかっています。
明治以降に日本軍の一部で使われていたらしく、国内でもたまに見かけますね。
マルチニー銃の方が海兵隊が使っていた銃として日本の歴史に関わりが深いです。
そっちも昔は買える値段で出回っていたので買っておけばよかったと思ったりも。
ハンマーが出ている銃の方が好みなので優先度が低かったんですよね。  

Posted by ラスティネイル at 00:18Comments(0)古式銃

2023年09月23日

南蛮鉄


用心金も鋲もないような火縄銃を8万円強も出して買ってしまった銃です。
出品者の吊り上げにも負けずに。


こいつはそこまで興味があったわけでなかったので吊り上げられ過ぎたので入札をやめたら再出品になって5万円程度になりました。



そして、さらに前に別な出品者から買ったやつを合わせるとこうなります。
用心金が無いと印象が違いますが、ほぼ同じデザインの銃です。
同じような形状の銃で登録が連番なので同じところから出てきたのでしょうね。
そんなことのために20万程使ったので無駄な気がしますが、5万のやつ以外は銃自体が大事なサンプルでした。
上から、一番目の銃、二番目、三番目として進めていきます。



銃口付近も同じようなデザイン。




一番目の銃身には刀鍛巻張 榎並屋次郎平兵衛重一作と銘が履いています。
鋼が巻いてあって丈夫な銃身ということでしょう。


銃床には木道清助作と彫ってあります。
墨書きだと錆の汚れや火薬の煤での汚れで見えなくなることがあるので、彫ってあると安心ですが、
何だか不格好にも見えるのは私だけでしょうか。


尾栓のネジ山が細かめのものになっています。




二番目の銃身には以南蛮刀古鐵鍛巻張 榎並屋次郎○○○○となっています。
輸入物の刀の鐵を巻いてある丈夫な銃身ということでしょう。
海外の鋼だと書くほど売りになるなら、当時として銃身に向いているという認識があったのでしょうか。
見た感じも良さそうな鉄です。
銘は途中から読めなくなっていますが、一番目の銃と同じでもおかしくはないですね。


尾栓のネジ山もやはり細かめ。鉄質も良さそうですね。


三番目の銃身は無銘。
悪くなさそうですが比較用としては面白味は無いですね。


尾栓はネジ山の大きさは他2丁と同じようなものですが、ネジ自体が細くなったので山が小さい感じはしないですね。



やはり、太いネジほど山は大きくなっているのでピッチは合いませんね。




一番目と二番目は同じように金具 山田次右衛門作と彫ってあります。
字の癖は同じだけど、刃物の使い方は若干違って見えますね。
手本の字は同じで別な人が彫ったのか、時期や刃物で違うのか。
普通は売り側の鋲の前に裏から地板を押して外す穴があるのですが、
この銃の場合は鋲の後ろにありますね、初めて見ました。




火挟の軸がネジで止まっていて、さらに火挟が必要以上に落ちないようにストッパーがついています。
そこまでするメリットは一体何なのでしょうね。


押え金も単なる板を曲げたものではなく、丁寧に作ってあります。


三番目の銃は普通のカラクリで、火鋏の軸も矢倉鋲で止まるタイプです。



一番目と二番目のカラクリには盗人金の横の盗人金が下がり過ぎないようにストッパーとなる板が付いていません。
あまり下がると先端が穴から抜けてしまうんですよね。
分解時はそうする必要がありますが。



代わりにストッパー用のピンを入れる穴が開いていますね。
ピンを折り曲げた時に逃げるような溝まで掘ってあります。
でも、不要だと思われたのか無くなっていますね
実際、困りやしないのですけど。


一番目の銃はシノギ目(目釘穴)の金具が無いけど座金みたいな丸い板だから簡単に作れると思っていました。


何だか模様が彫ってある・・・
たまに仏壇の金具師が作ったんじゃないかみたいなデザインの金具がありますよね。


一番目と二番目は引き金の形状もそんな雰囲気です。


二番目の銃の明九改 福岡縣 免許の刻印。
このブログによく載せている三分玉の火縄銃も同じ刻印で矢倉鋲を無くす改造がしてありましたね。
福岡付近の人は矢倉鋲が嫌いなのでしょうか。

蛮刀古鐵というのが理由で集め始めた銃たちでしたが、カラクリも興味深いものでした。  

Posted by ラスティネイル at 23:12Comments(0)古式銃

2023年09月12日

考古学


この前の日曜日は銃砲史学会の定例会に行ってきました。
レンガを研究している方が反射炉に用いたりする耐熱レンガに関して講演してくださりましたが、
物を見ながら研究している考古学である仰っていました。
私も火縄銃や古式銃の研究をしつつ、史学会に所属はしていますが歴史を研究しているわけではないと思っていました。
古い物から研究しているという点では考古学という表現はしっくりくるなと思いました。
考古学者を名乗るということは無いですけどね。  

Posted by ラスティネイル at 23:01Comments(0)古式銃

2023年09月07日

江戸時代の6時照準



火縄銃で15間先の1寸5分の丸(星)に6時照準している図です。
江戸時代の日本でも標的射撃ではやっていたんですね。

1間あたり1分上がる弾道で照準(見込み)と弾道が7間半で出合えば、
残り7間半で7分5厘上がるので、1寸5分の丸の半径分上がることになり、
15間で丸の下側の境目を狙えば丸の中心に当たると。
27mぐらいでは弾の落下は考えていないのでしょうか。
そして、銃身中心から照星の高さも重要になってきますね。  

Posted by ラスティネイル at 21:26Comments(0)古式銃

2023年09月04日

古文書による弾道


火縄銃の距離ごとの狙点や矢倉の高さを書いてあるものは多く見ますが、
弾道(矢張)が書いてあるのは珍しいので入手してみました。
自分が鉄屑を買う人間だとは把握していましたが、カビた(ような)紙切れを買うようになるとは思っていませんでしたね。
これは50目玉の187.5g、直径31.4mm程の火縄銃で20町(おおよそ2200m)先の的を撃つときの弾の高さが書いてあります。
5寸5分の矢倉を立てるようで、おおよそ1/2の勾配です。
大筒ですが車輪付きの仰角調整できる台に乗せていて大砲のようですね。


20町先の的は7mを超えるサイズの正方形に一番小さな丸が約1mで描かれているようです。
着弾時はおおよそ1/1の勾配で落ちてくるようです。


11町で矢張峠と書いてあるので頂点と思いきや、12町の位置の方が若干高い。
おおよそ460mの高さまで上がるようです。
それにしても、単位の厘まではわからなくもないとして、毛、糸、忽とか絶対にわかる細かさではないですね。
計算上で出てくる端数ってこともなさそうですし、真面目に書いてるのか、恰好だけなのか。

これらをエクセルに打ち込んでいって弾道の図を作ったり、弾速を推測してみようとしているわけです。
  

Posted by ラスティネイル at 00:38Comments(0)古式銃

2023年08月27日

砲術家の持ち物


砲術家が持っていたらしい巻物や古文書を随分高い値段でしたが買ってしまいました。
象限儀(しょうげんぎ)と単位変換用の尺がついていました。
そのついていたオマケが自分のメインの物だったのですが、
砲術懐中う日記とかも期待していました。
画像のもののほかに巻物もたくさんあるのですが、どんなものを習得したかという免状みたいなものでした。
しかし、これは画像で見ていてサイズ感が全然わかっていませんでした。


こんなサイズ感です。


現代物じゃなよねって言いたくなるほど細かい。
まあ、大きいと持ち歩き不便ですから、小さい方が優秀なのでしょう。


象限儀は内側(穴の中にも針がついています)が90°分の角度、
外側は1:1(45°)までまで1/100刻みの勾配になっています。
遠町(遠射)で使うものですね。
これだけ小さいとやはり持ち歩きやすいですね。


砲術懐中日記の中身を取出したら知恵袋全って、話が違う。


ドンドロ(雷粉)の作り方とか書いてありますね。
ドンドロと言えばドンドル銃の由来です。
水銀も使っているので、雷管を使う銃は洗わないと銃身が腐食する時代が続いてたわけです。



砲弾の作り方とかも。
砲術家の知恵袋全でしたか。
中は化学的なことが多いです。
砲術に関係あるのかわからない薬品も多い。


卒児達度学。
やっぱり何だかわからない。


単位とか角度について書いてあります。


ゲベール銃の弾薬の作り方もありましたが、
関係があるのか、メモに使用したのかよくわからないです。  

Posted by ラスティネイル at 22:48Comments(0)古式銃

2023年08月20日

銃身内にブラシを通す


外観は割とデコボコに錆びている火縄銃の銃身ですが、
中はそのまま撃てそうなぐらい状態が良いもの。
一応ブラシを通して中を見てみます。



真鍮ブラシ(本当はリン青銅)を真鍮の棒につけて、
電動ドリルがないのでインパクトドライバーで回しながら2~3分往復させました。
ネジ部はブラシを通さないようにしています。
角が落ちていってしまいますので。


その後で布を通してみると錆より取れたブラシから取れたワイヤーが沢山出てきました。
まあ、用途が違うので仕方がないですね。


全体的に割と滑らかで布も引っかからずに通りますが、
一部が凹んでいて影ができていますね。


ボアスコープで見たマズル部。


割と綺麗なところ。


表面が黒錆も見えるところ。
赤錆ではなく、黒錆なのでそんなに出っ張るとかならないのでそこまで気にしなくても大丈夫です。



カメラで撮ったときに影になっていたところはボアスコープでは反射で銀色に。


ちょっとだけ窪んでいるとか、転々としたものが並んでいるとか、目立っているほどの窪みではありませんね。



これの左側の部分はそれなりに凹んでいますが、0.1mmとかそんなものだと思います。



板を丸めてパイプにした時の鍛接の繋ぎ目らしきものが一部で見えていました。
これは穴を広げても無くなるかどうか。

全体として見えている傷は径で0.2mmも広げれば綺麗になりそうですね。
平滑な方が命中率が良いでしょうし、汚れも溜まりにくくて掃除がしやすいでしょうから、
そのうち磨いておきましょう。
それとも、この状態の命中率もデータで取っておくべきでしょうか。
しかし、試験できるほどの腕がまだないですしね。


火道の内側はゴミは詰まっていますが広がっておらず健全ですね。



ネジ部も傷のようなものが繋がっているので鍛接の跡でしょうか。


尾栓も板を丸めて作ってあるので、手前側に鍛接の繋ぎ目があります。
銃身と違ってそこで破裂したりする心配はありませんね。
あとは全体的にむしれた感じなのが他の銃では見ないですね。
むしれるような加工法だからなのか、材質の問題なのか。
均一で凄く良い材質って感じもしませんが、強度はありそうな感じでした。  

Posted by ラスティネイル at 01:07Comments(0)古式銃

2023年08月13日

銃身の錆び落とし


錆で銃床に入れにくくなっている銃身の錆び落としをしました。


落としている途中。


落し終わり。
茶色が黒になっているので黒染めをやり直したように見えるかもしれませんが、
錆の下にあった黒い皮膜そのままです。
これだけ綺麗で滑らかな部分を見ていると幸せです。


しかしながら、一部の錆が酷いとことは滑らかにならず。
全体が荒れているならとにかく、滑らかなところも多い銃だと、
砥石で滑らかに削ってしまいたくなりますね。
それでも、出っ張っている部分は無くなったので銃床には難なく入るようになりました。


銃身の下側には同じ形状の打痕が無数にあります。
後で傷つけてしまったのか、鍛造時の傷を下側だから最後まで消さなかったのか。



一部、材質に欠陥があって、鉄が小さく捲れ上がったりしているような部分がありました。
小さな凹みの回り上が銀色なのは出っ張っていたからです。
不純物のあるところが中で錆びて、内側から盛り上がったのかもしれませんね。
これぐらいで済んでいれば、質としては良い方ではないかと思います。




この銃身は先の方でも一般的な銃の薬室部に近い肉厚があります。
一番細い腰のところは標準の2倍の厚さと言ったところですね。
阿波筒で銃身長も長いので、火薬を多く詰めれば同口径の標準の1.5倍ぐらいのエネルギーは楽に与えられそうな感じです。
今回は銃床に入らない柑子(銃口付近)の錆は落としませんでしたが、
画像を撮るなら落としても良かったかなとも。
  

Posted by ラスティネイル at 23:13Comments(0)古式銃

2023年08月13日

カルカ整作


少し前にカルカ製作のためにホームセンターでM4のダイスを買ってきました。


以前、タップやダイスが揃ったセットを買っていたのですが、ダイスは真鍮にすら上手く喰いつかず使い物になりませんでした。
まあ、今回買ったダイス2~3個分ぐらいの値段のセットだから仕方がないのですけどね。
タップの方は問題なく使えてます。


タップはその後に廃業した実家から色々もらいましたけど。



アルミの棒の先にダイスでオネジを切り、メネジを切ったジグを取り付け。
棒部分は真鍮と迷ったのですが、元々が軽い木だからそんなに重くない方が良いかなと。



そして、3Dプリンターで作ったガイドを取り付けます。
棒の部分に対して、ジグと持ち手は太いので、ガイドは勝手に抜けません。
これでマズル部でカルカが擦れないようになります。
ここも真鍮の人が多いですけどね。
実は射撃時の装填にすでに使った後の画像なので汚れています。


以前は真鍮の一体のものを使っていましたが作り直したのです。
ちなみに、先端が一段太くて、溝も切ってあるのはパッチを銃身に通すときに往復できるようにです。


なお、射撃後の清掃で曲がってしまいました。
細いのでやっぱり真鍮じゃないとダメでしょうか。


画像で見て左側と下側が大きく減っている銃です。
火縄銃のカルカは元々木製ですが、射撃で出る煤(カーボン)は硬いので、
擦れていると減っていってしまうのです。
使用者の癖で毎回強く当たる方向がげ減っていってしまいます。
命中率にも良くありません。
そのためか全周を広げるようにして丸く直してある銃も多いですが、
銃身が短くなっていくようなものですね。
木のカルカを使う場合も銃口に手を添えて、カルカが銃身を強く擦らないようにすれば摩耗が押さえれれるでしょう。  

Posted by ラスティネイル at 00:15Comments(0)古式銃

2023年08月11日

次の射撃用


射撃のあまりの下手さにしばらくは火縄銃の射撃練習をしっかりやろうと決めましたが、
今使っている三分玉の銃は反動はないものの散弾銃ではバードショットレベルの大きさの弾なので50mは荷が重い。
それに単に小口径なだけでなく、三段式の照門、銅製のカラクリ、矢倉鋲の無い外記カラクリなど希少性が高いので、
たくさん撃って傷むのも勿体ない。
射撃自体よりも掃除のときに傷つけやすいとか、銃床を拭くと仕上げが落ちていく等ですけどね。


それで手持ちの中から次の射撃用の銃を検討していました。
一番上の五分玉の銃は折れた尾栓を取り出して尾栓製作をしないといけません。
雨覆が無いのは数時間で作れますけど。
状態もそんなに良くないので遠慮なく使えますが、これも口径が小さすぎるような。

上から二番目の伊予筒は八分玉で銃身に軽くブラシを通せば撃てるような状態。
出来が良くて状態も良いので傷むのが勿体ないのだけ難点。

上から三番目は一匁で火蓋を作って銃身にブラシを通すか、少し磨けば撃てる状態。
近いサイズの火蓋を手に入れてるので実質的には火蓋を固定するピンだけ作れば大丈夫。
状態的にもまあまあなので遠慮なく使える。
ただし、銃身長が1055mm程度もあるので掃除が大変そうなので実際には撃っていなかった銃。
クリーニングロッドも1m以上の長い材料を買ってこないと。

一番下の土佐筒は一匁五分玉で、部品は揃っていますが銃が軽いので反動が小さくはなさそう。
とりあえずはやめておこうかな。

一番競技に向いていそうなのは二番目の伊予筒ですが、
気兼ねなく撃てる三番目の銃から試してみようかなと。
純粋に道具として見れないと選定基準が面倒に。
掃除が本当に大変かはやってみればわかるでしょう。  

Posted by ラスティネイル at 00:11Comments(0)古式銃

2023年08月09日

亜麻仁油の色が薄く


9年前にグリップに亜麻仁油を塗っていたグリップがいつの間にか色が薄くなっていました。
亜麻仁油が揮発したのか、中に染み込んでいって表面が薄くなったのか。
逆に染み出してくることもあるようですけどね。
やっぱり、硬化剤を使わないと安定しないのでしょうか。
一応は重合するという話ですが。


この銃は初めて買った海外製の古式拳銃です。
買える値段だから買ったみたいな部分が大きかったですが、
それでも当時は非常に満足して良く触っていました。
いわゆるデリンジャーですがライフリングのある贅沢仕様です。  

Posted by ラスティネイル at 22:28Comments(2)古式銃

2023年08月05日

計量用の匙


三分玉の火縄銃の装薬量が0.6gで少なく、1.0gで多い感じだったので、
中間の0.8gあたりの装薬量にすべく火薬の計量用の匙を作り直しです。
SolidWorksを導入しましたが、前回がCREOだったのでそちらでデータを編集。



前回のオレンジと比べて円筒部分を短くしました。
こういう見た目を気にしないものでは3Dプリンタは非常に便利。


柄を短くしたのは秤に乗りやすくするため。
一応容量では合っているはずですが実際の装薬量の確認はしたいですね。
素材がPLAからABSになっているせいで違いもあるかもしれません。
縦長なのは断面積を減らして摺り切りでの誤差を減らすため。
初速の安定は命中率に影響しますから。


しかしながら、秤のヒンジ部分を壊してしまいました。
安物ですが最小分解能0.001gの秤ですから繊細なのでしょうね。
直すとは言わず買い替えでしょうか。
1g程度の弾丸重量の銃のためには最小分解能0.1gでは足らず、最低0.01gが欲しいです。
そして精度も求めると細かいやつの方が安心な気はします。
  

Posted by ラスティネイル at 23:29Comments(0)古式銃

2023年08月04日

我が家最大




今日も尾栓抜きです。
2本抜いて結果として我が家最大の尾栓が更新されました。
しかし、前(細い方)を左にという一般常識と加工側(細い方)を右という工学の基礎が喧嘩をして、
どっちに向けても納得がいかないという混乱をしております。



細い方は山の角度が小さくてピッチが小さく、山数が多いですね。
普通、火縄銃は直角である90度かそれより鈍角なのですが、
この銃は谷底は90度よりもわずかに鋭角で珍しいですね。
とはいえ、山の形が丸いので全体の印象としては90度ぐらいでしょうか。
悪くない作りです。



太い方は山の角度が大きくてピッチが大きく、山数が少なめ。
120度程度の鈍角で、これはこれであまり見ないですね。
山の形は直線で、角もしっかり出来ていて作りが大変良いです。
お金も人手も必要な大きな銃はやっぱり腕の良い鉄砲鍛冶の仕事なのでしょう。
鈍角になるとメネジと径がちょっと違うと前後方向のガタが大きくなります。
山が低いのでメネジと径が違うとかかりがかなり浅くなるなどの問題もありますが、
自信があってなのかガタ無く精度の高い勘合の場合が多いですね。  

Posted by ラスティネイル at 23:07Comments(2)古式銃

2023年07月22日

練習にならず


今日は2年ぶりに火縄銃を撃ちに行きました。
大会に向けた練習ですが全く当たらず。
22発撃ったところで装填が固くなってきたので洗い矢を通そうとしたら、
布が変な風に噛んで動かなくなったために帰宅。
ガンケースには銃床だけ入れておきました。
22発では練習にならないので、予備銃も持って行くべきだったかなとも。

結局、抜くのに一時間ほどかかりました。
抜かないと掃除も出来ないので、どうやってでも抜くしかないという状況でしたね。


マジックリンで洗うと銀象嵌も綺麗になります。
ちなみに、マジックリンは弾を包むパッチの潤滑液としても使っていましたが、
それが手に着いた状態で銃床を触ると傷むので、今回は水にしました。
特にそれが原因で不発とかは無かったですね。
銃身内の汚れの具合の差とかはわからず。

  

Posted by ラスティネイル at 23:39Comments(0)古式銃

2023年07月18日

結局アマゾン


火縄銃の掃除用に10mmから12mmぐらいのナイロンブラシが欲しいと思ったときに、
日本の鉄砲店は22口径から30口径、次は20番と間ぐらいのブラシを扱っていません。
真鍮ブラシなら410番のが一応ありますが、ナイロンブラシが欲しいと思ったら結局アマゾンでした。
ハンドガン向けの口径が揃ったブラシがなぜ国内在庫であるのか不思議ですが、
何故か非常にニッチなものまであるので便利なものです。
あまりアマゾンは使いませんが、頼りにはなりますね。

ちなみに、銃身内が磨かれた銃の手入れ用です。
錆びていたら真鍮ブラシですね。  

Posted by ラスティネイル at 22:19Comments(0)古式銃

2023年07月16日

尾栓にも個性


三本ほど外したい尾栓があったうちの一本が外れました。
あと二本はもう少し時間をかける必要がありそうです。
銃身外径に対して尾栓が太くて銃身の肉が薄いです。
強度に自信があるのでしょうか。
もしくは古いタイプの実戦的な火縄銃に多い気がします。
尾栓自体は山の形も揃っていて、角もしっかり出ている綺麗なネジ・・・前側は。
後ろの方は後ろに近づくほど徐々に変な修正が山の後ろ側になされていますね。
メネジとピッチが合わなかったのか、尾栓自体のピッチが変わってしまったことによる干渉の解消のためでしょう。
普通はネジ全体を補足してクリアランスを大きくして誤差の吸収をするのでしょうけど、
このネジはガタを増やさないでどうにかしたようです。
あとはあまり使われていなきからかメネジが鍛造っぽい見た目が観察できました。
尾栓も個性があるから何本抜いても面白く、勉強になります。  

Posted by ラスティネイル at 20:53Comments(0)古式銃