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2024年10月05日

スナイドル銃

スナイドル銃
スナイドル銃
スナイドル銃です。
ちゃんとフルサイズを載せるのは初めてですね。
この個体は木部が凄く黒いです。
リアスイベルはオリジナルではありませんし、ラムロッドもありませんけど、スナイドル銃は人気があって状態が良いと高いので・・・
ラムロッドはエンフィールド銃から借りて撮影も考えましたが、元のラムロッドが細かった個体のようで他のが差さりませんでした。

スナイドル銃
この銃は1868と王冠マークがあります。

スナイドル銃
スナイドル銃
スナイドル銃
ブリーチを開けるにはハーフコックにする必要があります。
トリガーメカはエンフィールド銃と同じですね。

スナイドル銃
タング(元プラグ、尾栓)とバレルの間には位相合わせのマークに合わせて、丸の中に本の刻印があります。
日本軍の刻印で・・・本営とかそういう意味だったような気もしますが忘れました。

スナイドル銃
スナイドル銃
左側の取っ手を持ち上げると開きます。

スナイドル銃
スナイドル銃
ブリーチ後ろに窪み、フレーム後ろにプランジャーがあるので勝手には開きません。
衝撃程度ではもちろん、押したり引っかかっても簡単に開く感じではないですね。
改良されてロックがつくようになりますが、これも操作のしやすさとか、
構造が簡単なことによる壊れにくさ(確実性)という点で自分は好きですけどね。
ブリーチ後ろには89だか何かの刻印があります。

スナイドル銃
ブリーチ下側には15と55の刻印があります。

スナイドル銃
ブリーチを後ろに引くとエキストラクターが後退します。
やはり薬莢が張りついたりはするのでしょうね。

スナイドル銃
スナイドル銃
スナイドル銃
スナイドル銃
ファイアリングピンは慣性式などではなく、押した分だけ出てきます。
結構長く出てきますね。
たまに引っ込まなくなるとブリーチも開けられなくなった個体を見ます。

スナイドル銃
左から見るとブリーチはフレーム(銃身)に沿った丸い形で、取手だけ出っ張っているのがわかります。

スナイドル銃
後から銃身に取り付けられた、ブリーチの軸を取り付けるためのリング状の部品やブリーチにもプルーフマークがあります。
銃身も後部にあったプルーフマークがリングより前に打ち直されているのでしょうか。

スナイドル銃
エンフィールド銃でのプルーフマークの位置です。

スナイドル銃
フロントサイトはエンフィールド銃と同様に小ぶり。

スナイドル銃
着剣ラグにも番号が打たれていて、銃剣と対応するようになっています。

スナイドル銃
スナイドル銃
スナイドル銃
スナイドル銃
リアサイトはラダー式ですが、一番上にもV溝があり、1250ヤードまでとなっています。

スナイドル銃
リアサイトは板バネのテンションがかかっており、勝手に起きたり倒れたりはしません。
板バネはアリ溝で差し込まれ、抜けないようにネジがついています。
リアサイト自体の銃身への固定はロウ付けです。

スナイドル銃
スナイドル銃
バンドはネジで締めるようになっていて、ネジの先はリングが付いているので、緩んでもネジが抜けて紛失ということはありません。

スナイドル銃
エンフィールド銃と比較。
このエンフィールド銃は木部が逆に白っぽい。
多少の差はありますが、基本的には同じような形です。

スナイドル銃
スナイドル銃
銃身後部が後装式なっている以外は同じですが、根本的に違うも言えます。
スナイドル銃のハンマーの先はちょっと短めで、下までは向かないようになっています。
木部の両サイドの平らな部分の後方が違っている銃と丸まっている銃は雰囲気がちょっと違いますね。

スナイドル銃
上から見るとエンフィールド銃はオフセットされたハンマーが素直に前後するように見えますが、
スナイドル銃は曲げたり捻じったり中心に向けられています。

スナイドル銃
リアサイトは同じようなものですが、銃身がブローチ分だけちょっと短くなっているのは無視できるのでしょうね。
スナイドル銃よりエンフィールド銃の方が不発に強いとか、火薬量を増減できるなんて言う人もいます。
エンフィールド銃も一応ペーパーカートリッジ式ですし、距離に合わせての照尺が付いていますし、
ライフリングや弾丸のスカートの広がり方の都合もあり、火薬量の調整なんてする人は逆に使いこなれせていないのではないかなとも。
不発は確かにエンフィールド銃の方が強い可能性がありますが、不発弾をすぐに抜けるのはスナイドル銃なんですよね。

スナイドル銃
二つのバンドと銃身後部のネジを外すと銃身が分離できます。

スナイドル銃
バンドに隠れていた部分や裏側の空気に触れていなかったところには当時のブルーが残っていたりも。

スナイドル銃
スナイドル銃
スナイドル銃
スナイドル銃
72とか83とか55、57、1と色々番号を打ち放題。
WTの刻印もあります。

スナイドル銃
ニップルみたいな部品を取れば、ファイアリングピンとバネが抜けます。結構細いです。

スナイドル銃
ブリーチ軸の抜け止めのネジは根元がネジで先がピンになっています。
ピン形状の部分で力を受けた方が良いのは確かですが、細いですね。

スナイドル銃
スナイドル銃
ブリーチ軸は爪が引っかけやすいような溝があります。

スナイドル銃
ブリーチ軸を抜けばブリーチも外せます。

スナイドル銃
ブリーチを前に押しているバネは薄いテレスコピックカバーがついていて、なかなか作るのが大変そうです。

スナイドル銃
板状のエキストラクターを引張るためにネジになっている円筒の後ろのフランジがブリーチに引っかかるようになっています。
これも作るのは面倒そう。
あと、エキストラクター側に円筒が付いていた方が丈夫そうな気がしますね。

スナイドル銃
タングも外したらおおよそスナイドル的な部分は分解完了です。

スナイドル銃
プランジャーも外したいところでしたが、カシメたようになっていたので諦めました。

スナイドル銃
前は分解できたのもありましたけどね。

スナイドル銃
ちなみに、ネジ部はエンフィールド銃の時より細くなっています。
バレルをフレームにするのに、弾丸より太いリム付きの薬莢が通るように後ろから削っているので、それを塞ぐために太いネジになっているのです。

スナイドル銃
スナイドル銃
そんな加工のため、フレーム後部は元々が薬室だったとは思えぬほどに薄くなって、しかも上半分が開いています。
また、プラグ(尾栓)からタングになった部品は発射の圧力ブリーチが受けてくれるから、過酷な荷重から解放されたかのように見えますが、
実はブリーチの後退を受け止めるのはタングの前側であるネジ部なのです。
後ろ方向は軸周りで固定されていませんからね。
更に言うと、薄くなって大きく上側が開いたフレームが力を受けるわけですから、
強度的に不安と言いますか、変形して壊れたり、開閉が上手くいかなくなってもおかしくないわけです。
ブリーチ軸は本来は力が加わらないので変形とは無縁のはず。

スナイドル銃
ちなみに、この個体は加工が下手で、開口部の右後ろのRが強く当たっています。
この画像の真ん中部分で、ブローチと開口部の角のRが当たっているのがわかるでしょうか。

スナイドル銃
ブリーチ後ろの平らな部分はちゃんと当たっていないし、発射の圧力で上から見て反時計回りに力が加わります。
おそらく、ブリーチ軸にも。

スナイドル銃
スナイドル銃
角の強く当たったところが銀色に光っています。
フレーム側は内側に盛り上がってすらいます。
加工が下手だったり、理屈のわかっていない人間に作られると本来の機能や耐久性が発揮できないわけです。
いきなり壊れたりはしないのでしょうけど。

スナイドル銃
本来力を受けるべきところには受けた形跡がない・・・

スナイドル銃
ここの加工も結構大変そうですね。

スナイドル銃
スナイドル銃
スナイドル銃
スナイドル銃
スナイドル銃
ブリーチも複雑。
スナイドル銃への改造が簡単って本当かなとさえ思いますね。
和製のアルビニー式の方が数倍簡単に作られています。
本家のハンマーと連動した閉鎖機構は大変でしょうけど。

スナイドル銃
5条のライフリング。

スナイドル銃
スナイドル銃
スナイドル銃
全て山が片側2段みたいになってしまていますね。
この銃だけなら、弾丸のライフルマークでこの銃だと凄くわかりやすそうです。

スナイドル銃
スロートはゼロで最初からライフリングが始まってます。
後装銃のメリットを活かせていないというのがわかる点ですね。

スナイドル銃
ストックのブリーチ用バンドが収まるところにも55の刻印が。
それぞれの加工者が合わせで番号入れていくから、やたら番号の刻印が増えるのでしょうね。

スナイドル銃
こっちには83と17。

若干、スナイドル銃の紹介か、加工ミスの紹介かわからなくなっている気もしますが、以上です。



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Posted by ラスティネイル at 00:31│Comments(2)古式銃
この記事へのコメント
詳細な解説と画像、勉強になりました。感謝です。

ブリーチとフレーム、本当にどういう段取りで切削したのか。
それなりに工場で大量生産してたはずなので工作機械で削ったはずですが、加工手順が見えません。
NCでやるったって、固定を何回やり直すんだろう?という感じですね。

エンフィールド銃とスナイドル銃でのハンマー比較は面白かったです。
傍目には同じように見えてしまいますけど、叩くモノの位置がちがいますから運動エネルギーの持って行く方向も変わりますね、確かに。
Posted by 風切屋 at 2024年10月07日 14:44
代表的な銃なのに、かなり後回しになってしまいました。
大きな写真で載せる状態に自信のある銃ではありませんし。

本当に大変そうですよね。
大量生産なので機械と治具を工程ごとに多種用意したのか、人間の能力なのか。
接合されている部分も結構あるはずですが、綺麗な加工で見た目でわからず。

元のニップルの位置からだと大変ですしね。
サイドハンマーによる振動はエンフィールド銃でもそんなに気になりませんが。
ゲベール銃なんかと比べると小ぶりなハンマーですし。
Posted by ラスティネイルラスティネイル at 2024年10月08日 20:44
 
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