QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 14人
プロフィール
ラスティネイル
オーナーへメッセージ

2023年11月29日

国友九十郎 正義の火縄銃

国友九十郎 正義の火縄銃
先日入手した江州国友九十郎 正義という銘の火縄銃です。
昭和35年登録で登録が古めです。

国友九十郎 正義の火縄銃
国友九十郎 正義の火縄銃
以前から持っていた刃鉄巻 唖鍛冶久左衛門 信次 花押という銘のカラクリとデザインが近いのが気になったんですよね。
構造はカニ目のある内カラクリと二重ゼンマイカラクリで違うんですけど。
火挟を止める軸の頭が大きくて平べったいのが特徴で、火挟も棒の部分が左右が薄い形状になっています。
基本、今回手に入れた国友を下に並べるように載せていきます。

国友九十郎 正義の火縄銃
国友九十郎 正義の火縄銃
それで火挟が一度外に向かってから内側に帰っていくようにくねくねしているのが、オリジナルか疑問に思っていた特徴だったのですが、
同じデザインで同じように曲がっているのでちゃんと最初から意図されたものだったと確認できました。
胴金の横を通って避けているのでしょう。
多くの銃は上を通りますが、余計に出っ張ると言えなくもない。

国友九十郎 正義の火縄銃
火挟の上がる量も珍しいぐらい大きいです。

国友九十郎 正義の火縄銃
国友九十郎 正義の火縄銃
銃としての良し悪しは別として、国友の方が新しくて洗練されたデザインに思えます。

国友九十郎 正義の火縄銃
銘もはっきりして読みやすいです。
刃金巻の方は巻張の模様が見えていますね。

国友九十郎 正義の火縄銃
口径も射的筒と実用品の違いがありますね。

国友九十郎 正義の火縄銃
今回の国友の方は火挟の火皿に当たる部分に段差が付いていて、
根元の厚い部分だけ火皿に当たり、先端の薄くなっている部分は当たらないようになっています。
空撃ちでの変形防止でしょうか。

国友九十郎 正義の火縄銃
台師は大嶋吉兵衛です。

国友九十郎 正義の火縄銃
国友九十郎 正義の火縄銃
国友九十郎 正義の火縄銃
国友九十郎 正義の火縄銃
カラクリの構造は土佐筒とおなじようなものです。
金具師の刻印もあるので、銃身、銃床、カラクリのすべてに名前が入っていると。

国友九十郎 正義の火縄銃
国友九十郎 正義の火縄銃
口径は8.5mmの一匁程度ですね。
多少は巣口が広がっていますが良い状態です。
カラクリのデザインを気にしていましたが、好みの小口径で気に入りました。

国友九十郎 正義の火縄銃
銃床の先が銃身の飾りの太くなっている部分がぴったりの位置です。
木が縮んで隙間があるものが多いですが、これはそれが無く目釘の穴も位置が合っています。
カルカが鉄製なのは後から適当に合わせたように思えますが、
ちょっと古そうな感じはしますね。

国友九十郎 正義の火縄銃
火道は拡がり気味ですがそのまま使えなくもない程度。

国友九十郎 正義の火縄銃
国友九十郎 正義の火縄銃
芝引の金具の鋲が一本無いのと銃床が一部割れているのぐらいが欠点しょうか。
割れはそのうち接着しておいた方が良さそうですね。

国友九十郎 正義の火縄銃
銃身の一部は製作時の仕上げが残っているようです。
一番細いところで14.5mm程度。
やはり一番肉厚が薄いところで3mm程度なのは標準的な感じです。

国友九十郎 正義の火縄銃
国友九十郎 正義の火縄銃
尾栓は開けようとして変形した痕がちょっとあったので開けにくいかと思えば、
形状に合わせて当たるレンチで回したら案外簡単に外れました。
ネジ部は墨やタールみたいなものがオネジにもメネジにもついていました。
以前から何かが炭化したのではないかというものはありましたが、
この感じからすると故意に塗ってあるように思えますね。
気密の確保、ネジの固着や錆の防止のために。
ネジのかかりはそんなに深くなさそうです。
元々そういう感じなのでしょう。

カラクリに形状目当ての銃でしたが、小口径ですぐ撃てるぐらい状態が良いので幸運でした。



同じカテゴリー(古式銃)の記事画像
セットトリガー付きを入手
スナイドル銃
資料として鉄屑
火縄銃の銃床形状
和洋比較
銃床の分解
同じカテゴリー(古式銃)の記事
 セットトリガー付きを入手 (2025-03-22 22:26)
 スナイドル銃 (2024-10-05 00:31)
 資料として鉄屑 (2024-09-05 21:41)
 火縄銃の銃床形状 (2024-08-18 23:45)
 和洋比較 (2024-08-09 23:48)
 火縄銃のロックタイム (2024-08-03 15:04)
Posted by ラスティネイル at 23:11│Comments(0)古式銃
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。