2022年08月14日
バーナーで炙る
夏休みで時間もあるのでのんびりと尾栓外し。
まあ、和製ヤーゲル銃とエンフィールド銃の銃身なので尾栓というよりプラグでしょうか。
真っ赤になるまで熱すれば簡単に外せるなんて言う人もいますが、
あんまり温度を上げると問題も起きるので考えながらやる必要があります。
今回はバーナーの火力は立派ですが200℃ちょいまでしか上げませんでした。
尾栓外し前の準備ぐらいな感じですね。
鋼じゃなくて軟鉄に近い火縄銃なら長時間じゃなければかなり高温でも大丈夫なのですが、
ライフリングがあるような銃は大抵が鋼製で熱処理で硬度が上げてあるので、
あんまり上げると余分な焼き戻しで軟らかくなってしまうのです。
それこそ真っ赤にすると焼きなましになってしまったり、冷やし方が悪いと脆性の組織になるので注意が必要です。
エンフィールドのバレルは4本目のプラグ外しです。
これは研究用に入手したバレルのみのもの。
プラグを外しても火薬の汚れが銃身を塞いでました。
中央付近で2~3ミリの厚さで、角はもっと残っています。
火縄銃の説明で尾栓は掃除や不発の時に絶対に必要というのをよく見かけますが、
日本でも洋式銃だとプラグを外さずに銃口からだけ掃除していてこのように汚れているものはあります。
逆に何回も外して緩くなっているものもありますから、使用者次第でしょうか。
今回の和製ヤーゲル銃(上)と和製洋式管打ちピストル(下)のプラグを並べてみました。
気密のためしっかり密着していたので錆がほとんどないですね。
エンフィールド銃のプラグと違って山が大きく鈍角の火縄銃と同じようなネジ山ですが、
火縄銃がネジの頭の座面で気密を取るのに対して、ネジ山の密着で気密を取る高度な技術のものです。
慎重にたまに挑戦しては諦めてで入手してから外すまでに一年以上かかりました。
結局のところは単純に力が必要でした。
薬室側からと銃口側からバレル内を見たもの。
一応ヤーゲル銃なのでライフリングは7条です。
手彫りなのか完全な綺麗な螺旋ではなく微妙にうねっているのがわかりますでしょうか。
画像だとちょっと辛いでしょうか。
これで命中率がどうなるのか気になるところですね。
そして薬室から100ミリぐらいはライフリングがありません。
薬室に向かって溝が浅くなっていって無くなっているのです。
故意になのだと思いますが、これも命中率にどのような影響を与えるのか。
そもそも、弾は丸いのか、紙やパッチで包むのか、想定された使用方法がわかりません。
ヤーゲル銃だと球状の弾をパッチに包んでというのが一般的ですが、
ライフリングの形状がそれっぽくないんですよね。
Posted by ラスティネイル at 03:08│Comments(0)
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