2020年12月20日
ライフリングのあるパーカッションピストル
今日はしばらく前に買ったパーカッションピストルの分解をしていました。
前後のサイトとライフリングがあり、大きさも適度な扱いやすそうな銃ですが、
グリップが直角のように曲がっているので下の方は持ちにくく、
上の方は曲率が大きくて、どこを持ってもしっくりこない残念なグリップです。
構えていたら慣れるのでしょうか。
ロックはネジ一本で留まっています。
ラムロッド用の穴は斜めに開いていて、カラクリから逃げるようになっています。
拳銃ではそういうのは少なくないですが、見た目斜めなのは気になりますね。
バレルは鉄を巻いて作ってあるのが良くわかります。
薬室から銃口に向かって細くなっていき、銃口付近はちょっと広がっています。
柑子のない火縄銃と同じような形ですね。
グリップ上部にイニシャルでも入れそうな板が付いていますが、
何も打ち込まれていません。
タング部は台形になっていて、木部も合わせて削られています。
前の方はグリップに沿って面取りもされていて、やけに形が複雑です。
ニップルに下はガスからのガードが付いています。
ニップルから出たガスはハンマーの窪みで下方向に広がりますが、
これで下に行かないようになっています。
この銃はかなり出っ張っていますね。
銃を守るためなのか、手を守るためなのか。
カラクリは小さめですが特殊な構成ではないですね。
シアもブリッジにネジで固定されているのと、ストラップとタンブラーもネジ固定なぐらいでしょうか。
ネジは一本ですが、前側に引っ掛かりが設けられています。
その引っ掛かり用のアンカーがあり、そのアンカーが抜けないように上から板が差し込まれています。
簡略化でネジを一本にしたのではなく、一本で分解できるようにかデザインの問題かで手の込んだことをしています。
元が白磨きのようです。この状態だと巻いてある模様は見えませんね。
ニップルの取付部はあまり出っ張っていません。
リェージュのマークだけがそれらしい刻印でしょうか。
軍用銃みたいに数を作らないので、区別をつける必要が無かったのかもしれませんね。
バレルのテーパーがきつかったので、3Dプリンターで治具を作りました。
あんまり力も要らずに緩みました。
数週間油に浸けていた効果でしょうか。
それでも、3回転ぐらいはレンチが無ければ回せませんでしたが。
治具が変形してバレルが治具内で回っていますが、許容範囲です。
ライフリングは線のような溝がたくさんあり、山は平らです。
ミニエー以前の前装銃のライフリングは山が尖っているイメージなのですが、
これでもちゃんと回転を与えられるのでしょうか。
そのうち錆も落とさないと。
ネジの錆や汚れをある程度取った状態です。
ここまでは手で問題なく回るようになりました。
バレル端面が当たってこれ以上回らなくなったら工具で回します。
端面で気密を取るタイプの銃です。
真下にある細い締め位置のマークが合うようにしました。
ニップルも外すため、手元に合った穴の開いた真鍮に溝を入れて見たのですが、
真鍮が変形してしまってダメでした。
鉄で作らないといけないようです。
ついでにニップルを少し叩いて錆を崩しておいた方が良いかもしれません。
Posted by ラスティネイル at 02:36│Comments(0)
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