楽しみながら強くなれる!田村装備開発(株)の『ガチタマTV』!
2022年05月01日
人は撃たれて吹っ飛ぶか
映画などでは銃で撃たれた人間が飛んでいく描写があります。
ショットガンとかマグナムハンドガンとかで撃たれると特に。
しかしながら現実で撃たれて人が飛んでいくということはあまりないようです。
作用反作用の法則があるのだから、撃った人が吹き飛ばないのだから、撃たれた人も吹き飛ばないという話もあります。
確かに説得力がありますが、相手が細切れになるショットガンを撃って肩が細切れになったとか、スイカが弾けるマグナムハンドガンを撃って手が弾けたという話も聞きません。
では、本当に銃には人を吹き飛ばす威力がないか計算してみましょう。
私の好きなマグナムハンドガンのM29は16gの弾丸が450m/sで飛んでいき、1600Jのエネルギーになるそうです。
では、体重65kgの人が1600Jで動く速度を考えると
√1600/65X2≒7m/sで25km/hとなります。
同様に猟用の12ゲージの猟用32g装弾で初速400m/sと考えるとエネルギーは2600J
65kgで9m/s程度です。時速になおして32.4km/hとなります。
ほぼ全力疾走の速度ですね。
これらは弾丸のエネルギーがすべて人体の移動に使われた場合の速度ですが、
考え方によっては全力疾走の人に体当たりされたときのエネルギーとなります。
これは人間が吹っ飛ばされると考えても良いぐらいではないかと思います。
つまり、弾丸のエネルギーは人を飛んでいかせるのに十分な値ですが、
人体の破壊にエネルギーが使われるので移動はあまりしないと。
では、射手側の受けるエネルギーを考えてみましょう。
簡略化のため火薬の発射ガスの質量を今回は無視するのでいくらか実際のエネルギーより小さくなりますがそれで計算します。
12ゲージのM870の質量3200gだとすると弾丸の質量の100倍となります。
銃単体が跳ねあがり無しで弾丸が飛んでいく反対方向の真後ろに動くとすると、
速度比は質量比の逆数と等しいので弾速の400m/sの1/100の4m/sになります。
ここでエネルギーについて考えると重量に比例して速度の2乗にも比例するので、
質量の大きい方が重量倍されるけど速度が質量分の1になるため、結局のところエネルギーも質量比の逆数になります。
つまり、32gの弾丸を2600Jで撃ち出したM870は人の支えがないと4m/s の26Jで後ろに飛んでいくと。
26Jはそれなりに痛そうですね。
ここで人間が構えて人体の重さも銃に加算されたと考えます。
銃をガッチリ肩に押えて銃と射手が一体になると考えて、銃と上半身が合わさってキリ良く32kgだとしましょう。弾丸質量の1000倍になるわけですから、速さもエネルギーも1000分の1の0.4m/sで2.6Jとなります。
こうすると物凄い小さな値になりますね。
まあ、実際には明らかにもっと痛い反動があるので、人体は軟らかいので質量的一体感はそんなに出ないのでしょう。
作用反作用の法則で働く力は同じですが、受けるエネルギーは全然違うことが分かったと思います。
銃弾が速度変わらず相手を貫通したら、エネルギーは弾丸に残ったままですが、相手で止まってエネルギーが全部伝わったとすると、射手の受けるエネルギーとは桁違い(それこそ吹っ飛ぶほどの)のエネルギーを受けることになるのが銃の本質のようです。
射手の受けるエネルギーは銃をガッチリ保持するほど小さくもなると。
まあ、普通のライフルの場合は受け流した方が肩が痛くならずに済みますが、フルオート火器の場合は受ける反動のエネルギー自体が小さくなるので、制御しやすくなるでしょう。
本題?に戻ってエネルギーが足りているならば本当に人が吹き飛ぶ場合があるかを考えると、例えば散弾を防弾チョッキで広範囲で上手く受けて、諸々の変形ではなく移動に上手く変換出来たら飛んでいくかもしれません。
あとは、驚いた人が勝手に飛び上がった場合など。
実は前々からオートマチックの銃の動作(特にショートリコイル)はあまり理解されていないので、
感覚的ではなく数値的に説明してみたいということの導入でした。