2021年08月11日
星を狙え
射撃の練習は星を狙えというのを昔の月刊GUNで読んだ覚えがあります。
夜は明かりが無い時代、他にすることも無ければ星を狙うのもいいのかもしれません。
周りに光るものや高い構造物も無ければ、割と低い位置の星も狙えるでしょうし。
そして、近くの小さいものより遠くの大きなものを狙えと言うことでもあります。
星ほど遠くて大きな物はないでしょうしね。
では、なぜ遠くて大きなものを狙うのがいいかということですね。
100m先の幅60cmmの人間を狙うのと10m先の6cm、1m先の6mmは変わらないのではないかという気がしてきます。
確かに、見える大きさは同じですから、銃を完全に揺れることなく構えられるのならばそうかもしれません。
しかしながら、銃の揺れを考えるとちょっと性格が変わってきます。
特に対人戦闘や狩猟で大きさのあるものを狙う場合は影響があるのではないかと思います。
銃の揺れ方は人体の色んな関節が動くので複雑ですが、
上下左右の角度揺れと、左右の平行揺れの場合を考えて見ます。
角度揺れというには大抵の銃のブレの原因ですから分りやすいと思いますが、
銃の角度は変わらず平行揺れは体ごと左右に揺れるような感じでしょうか。
性格にはこれも大きな円運動かもしれませんが、銃の向きが平行なまま揺れるものを考えます。
角度揺れは距離に比例しますので、的から離れるほど誤差が大きくなります。
平行揺れは距離に関係がありません。
3cmの揺れはどこまで行っても3cmです。
100m先の60cmの的に対して3cmは無視できますが、10m先の6cm的に対しては無視できないでしょう。
その水平揺れが収まるように頑張って練習しても、実際の時にはあまり意味がないかもしれません。
まあ、意味がないだけならそこまで問題ないのですが、照準がずっと的の中心を向いているように、
水平揺れを角度方向の修正で直しながら狙う癖がついたり、無駄な悪い癖がつく可能性もあります。
もしくは、角度揺れと水平揺れの区別がつかないと、角度揺れが収まっているのかどうかも分からなくなります。
素早く構えて撃つ場合は、構えていない状態で的を見て、構えた時に目の位置が変わるため、
最初に見た位置とは違った角度で構えないとズレるなどもあります。
諸々考えたときに、遠くの大きなものを狙うのは理に適っているとわかります。
どうせ練習するなら、効果的な練習を。
もちろん、部屋の中で近い距離でしかできなくても、まったくやらないよりもやる方が良いでしょうね。
ただ、部屋の中でもちょっとした労力で的からの距離を取ることができるなら、その方が有効なのではないでしょうか。