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2018年06月25日

火縄銃の研究を


古式銃は洋式銃中心で後装銃の各方式を手にしてみるというのが個人的な目標でしたが、
後装銃はそんなに出回っていないですよね、私の買えるような値段では・・・
そんなわけで火縄銃も個人的な研究テーマに加えることにしました。
火縄銃は好みで買っていましたが、手にしたことのない産地や流派のものは買っていってみようかと。
火縄銃も高い銃は洋式銃に劣らない額となりますが、各流派でも安いものは安い。
手にしてみて調べたら、気に入らなかったものは売ってしまういます。
若干の損失は出ても実物を手にした知識が得られればいいかなと。
古式銃自体が買った中で手元に残っているのが4割ぐらいですね。
所持している数を増やさないと段々と割合は下がっていくわけですが。


そんなことを言いつつ、洋式銃の前装銃も手に入れています。
今週末はプラグ(尾栓)を外したり、銃身内を磨いたりしていました。
プラグが取れると外せると嬉ですね。  

Posted by ラスティネイル at 01:15Comments(0)古式銃

2018年06月15日

P1839 エンフィールド小銃


エンフィールドのP1839小銃です、多分。
パーカッションロックですがフリントロック時代の名残が見える形状です。



王冠マークもTOWERの文字もあります。


しかしながら、17ゲージの滑空銃です。
ミニエーじゃないエンフィールド銃もあるのです。
フリントロックのもありますしね。
17ゲージなので.65口径の16.5mmですね。
577口径の14.66mmのミニエー銃と比べて大口径ながら、射程は短いと。
プルーフマークは一つだけですね。
照準ははなくて銃剣用ラグのみ。
P1839はサイトがあったりなかったりするみたいですね。
ライフリングが無く、射程が短いのでサイトがない銃も多い時代です。



銃床には武具方と削ってあるのと、壬申三千六百四十三 香川縣とあります。
古式銃としての登録も香川県です。
日本に入ってきたのはいつだかわかりませんが、
ミニエーのエンフィールドが欲しくて、入手できたのがこれだったらなどと考えてしまうとやるせない気持ちになりますね。




ロックはミニエー式より大きいです。
ハーフコック、フルコックとあります。
トリガーは補修されているのか、幅を広げたかったのか変な形にされてしまっています。


ロックの反対側にはネジ受けがありますが、これはゲベール銃のように繋がったタイプです。
それ自体も真ん中で木ネジによる固定がされえいるのと、真ん中が膨れたデザインで手間がかかっています。
見にくいですが裏側は逆に真ん中が凹んでいるので、叩いて立体的にしたようです。
また、四本の溝があります。




ロックはメインスプリングがネジ止めされているのと、バネが直接ハンマーを押しているのが特徴でしょうか。
ミニエー式だとバネはハンマーを引くようなリンク部品がありますね。



ハンマー、プレート、ネジにも四本の溝があります。

トリガーガードは比較的小さなネジで固定されています。


手間のかかったラムロッド収納部。
これらの金具はピンで止まっています。
銃身もバンドではなくピン固定なのがフリントロック時代に近い感じですね。
P1839の銃身はピンでなくウェッジで固定されていることが多いようですが。



銃身のピン穴の土台はスイベルのすぐ後ろに使われていない(銃床に穴が無い)のも一箇所。
場所間違えたのを誤魔化してあるように見えるのは気のせいでしょうか。

形状的な埋め込みではなく、銅合金によるロウ付けのようです。

銃身後部はのっぺりとした感じです。


銃身にもやはり四本の溝があるので、ちゃんと元からの組み合わせのようです。
ピン穴一箇所は最初からおかしいのでしょうね。
プラグ(尾栓)は別に作ったタング部をくっつけてあるのがわかります。

ミニエー式と比べると大口径ですが、むしろ華奢で軽い感じです。
ライフリングが無くて圧力が上がらないから十分なのでしょうか。  

Posted by ラスティネイル at 01:32Comments(0)古式銃

2018年06月08日

土佐筒


今回は土佐筒です。
五日前に投稿した日野筒は非常に手間をかけましたが、現在までのアクセス数60と類を見ない不人気記事でした。
なかなか残念な気分になりましたが、火縄銃関連を続けていきます。
話を戻して土佐筒です。土佐筒はわりと人気がありますね。





特徴の一つは縦の鋲で止まったカラクリ。
なので、側面はすっきりしていて、上下には金具類があります。
まあ、普通の火縄銃でも上下は派手な飾りのものが多々ありますが。
外にバネはありませんが、火挟はカニの目でロックされるのがわかります。

目釘穴などの穴を補強する金具は花びら一枚一枚分かれていて手間がかかっています。
ただ、補強としての機能は少し疑問が残りますね。



表一角(丸くて上だけ平ら)の銃身です。
マズルの外側の角が大きく丸められている銃も土佐筒にはあります。


雨覆いは楔の代わりに縦のピンで固定されています。

尾栓の頭にある穴も縦です。
縦が余程好きなのでしょうか。
銘は土州住柳本喜平重義作です。

先キ六寸鋼入となっています。
銃口部は装填時に磨耗しやすいからか鋼になっているようです。
ただ、少し引っかいてみた感じでは硬さの違いはわかりませんでした。
切断して組織を確認するわけにもいかないですしね。


尾栓は山が大きめでテーパーです。
山が大きいと安心感がありますね。


上から刺さっている鋲を2本外せばカラクリが外せます。
カラクリだけで機能が完結しているので、木の収縮などの影響が少ないですね。
引き金の軸がカラクリの入るスペースにあると言うのも他に見ない特徴です。


鋲はテーパーにはなっておらず、抜け止めの出っ張りが付いています。
溝ではなく、実際に出っ張っています。
全周ではないのもまた不思議な感じ。



カラクリの作りは平カラクリのバネが内側のゼンマイになったようなものですが、
盗人金を動かすバネの押金が火挟の軸を固定する役割を持っています。
一つの部品で二役ですね。




押金は盗人金側を持ち上げて回して、スライドさせると外せます。



これで部品が全部外せます。
火挟の軸は固いので外しませんでしたが。


火挟の軸には上と書いてあって、抜いても向きを間違える心配が無さそうです。
火挟の本体は鉄製で、軸と貝口は真鍮です。盗人金も鉄なので磨耗には強そうですね。
貝口に開けた穴に本体の鉄部を通して固定しているらしく、貝口の内側に錆びている鉄が見えます。

地金はやはり後ろほど厚く、表側が広がったテーパーが付いています。

ゼンマイは一枚の板で出来ています。
一周目は火挟の軸に合わせた四角に巻き、一周目の外側の角を削って丸くしてから、
二周目以降を丸く巻いていっています。

以上、個性的な土佐筒でした。  

Posted by ラスティネイル at 23:30Comments(6)古式銃

2018年06月07日

スタームルガーKP85

P

マルイのエアコッキングのスタームルガーKP85です。

ハイグレードモデルですので、リアルサイズのマガジンです。
装弾数も26発と多め。



昔はP85という刻印でした。
P85は黒く、KP85がステンレススライドモデルなのでKP85が正解です。
フレームはどちらもアルミで色違いなだけです。
スライドとフレームの質感の違いも再現されています。




P85のときはRUGERと入っていますが、KP85ではなくなり、マルイのマークが入っていたりします。


ハンマーはコックできます。
根元が細いからか折れてしまった個体を見ることがあります。
シングルアクションのみでSAにしてもトリガーは下がりませんが、
元々が本来の位置より後ろなので多少引きやすいです。


ハンマーがコックされると構えたときに大きな差がありますね。



セイフティは大き目のスライドストップで操作はしやすい反面、引っかかって誤操作も多い。
ここも折ってしまう人がいるようです。


マズルは浅いけどライフリングの再現もあって良いのではないでしょうか。




チャンバーはバネで上下してスライドと噛み合い、ショートリコイルを再現しています。

本当にチャンバーの見えるところだけでバレルは動きませんけどね。
スライドを引いたときにチャンバーが開き、閉鎖時に違和感が無いようにするには可動させるしかありませんね。


グリップパネルを外すとハンマー軸の部品だけ別パーツで再現と言う拘りが見えます。
もしかすると、一手間かけた遊び心なのかもしれません。

実銃は安価で、丈夫な分だけ野暮ったい外観の銃ですが、
マルイのエアコキの場合は派手で存在感もあって割りと人気に思えます。
これらの製品のメインターゲットは知識とかではなく見た目で選びそうですしね。
他でモデルアップされていない機種なので、コレクションにと言う人もいるでしょうか。  

Posted by ラスティネイル at 01:53Comments(0)エアコッキング

2018年06月03日

日野筒



所持する火縄銃の中では一番一般的な形状だと思われる日野筒で火縄銃について構成の詳細を書いてみようと思います。
八角の銃身で平カラクリのものです。
各部の名称などは流派によって違いますが、出来る限り一般的な名称を狙います。

まず、火縄銃の構成部品を大きく分けると、筒(銃身、バレル)、台(銃床、木部、ストック)、カラクリ(メカ部、ロック)となります。
筒は鉄砲鍛冶が作り、銃の良し悪しはほとんどこれで決まります。
台は台師が作ります。今の技術で作るには筒より難しいのではないかと思います。
カラクリは金具師が作り、真鍮製が多いですが、鉄製の地域や流派もあります。



火縄銃の火縄から火薬に点火していく部分が火皿、安全装置である火蓋、火蓋を止めているピンが篭棒です。
火皿は大きな丸い部分を大山、篭棒がある小山、点火薬を載せる池、銃身内に火が入っていく火道があります。
火皿の横に立っている金具は雨覆いです。
銃身の方から雨水が火皿に流れないようになっています。
火道から噴出すガスで銃身を傷めないようにという話もあります。
火皿の後ろに煙返しという板がある場合があり、ガスが射手の方に行かないようになっています。





雨覆いは銃身に差し込まれた後に楔で固定されています。
この二つの部品は紛失されていることが多いです。



銃口(マズル)は巣口と言い、照星(フリントサイト)は先目当です。
照星はこの銃のように銀が埋め込まれていることもあり、
先端だけ小さく光っているのを見ると照星と呼ぶのも頷けます。
この銃身は八角で上三面が凹面になっています。
弾を込めるための棒はカルカと呼ばれることが多く、他に搾杖、込め矢、ラムロッドなど。
木製のものが多く、折れることもあり、残っていないものも多いです。
鉄で作られることもありますが、火花が散って点火する可能性も考えると木製が安全です。




この銃身は八角で上三面が凹面になっていますが、
先端付近は八面とも凹面になっています。
銃身は先に向かって細くなっていくのですが。巣口付近でまた太くなっていきます。
その太くなっていく過程で凹面になっていきます。
銃身先端を膨らませている部分を柑子といいますが、
この銃の場合は柑子無しです


銃身下部には銃床に取り付けるための目釘穴が取り付けられています。
これは銃身に入る部分が太くなっていく別部品を入れてから銃身を叩いて密着させて固定しています。
照準も同様ですけどね。


銘は江州日野和田治太夫造之となっています。
どこで、何系の鉄砲鍛冶の誰が作ったかとういないようです。
他に材質や製法、火薬量、シリアルナンバーが入っている場合もあります。
日野筒は特徴があまり無いのでどんなのが日野筒なのか説明できないですが、
少なくともこの銃は日野と銘があるので日野筒なのでしょう。





尾栓は頭が四角くテーパーで、横に穴が開いています。
尾栓は火道のすぐ横まで伸びていて、この銃はわずかで見にくいですが、
先端の火道側が削られて火が入っていくようになっています。
尾栓は固定される向きが決まっているわけです。
また、銃床には尾栓の入る四角い穴があって、しっかり嵌ります。
これは緩み止めを兼ねていて、やはり尾栓の位置が正しくないと入りません。
頭がテーパーなのは組み立て時に銃床に入りやすいようになのでしょうけど、
錆び付いて尾栓を外すときはレンチがそのままでは使えず苦労します。
ネジ部もテーパーになっていて、山の角度が前側と後ろ側で違います。
今でも鋸刃形としてありますが、それとは逆で締結側の方が角度が緩くて力がかかりにくい変な形状です。
でも、火縄銃で山の角度が違う場合はみんなこうですね。


台の筒を固定するための穴は目釘穴、シノギ目などと呼ばれ、金具で補強されていることも多いです。


照門(リアサイト)は元目当です。
溝は非常に小さく見にくいです。



カルカを入れる穴を矢袋と言います。
直径1センチ以下で深さ1メートルぐらいの穴が開いていることもあり、
真っ直ぐ開けるのが非常に難しいものです。
台の下部に背割りという溝が入っていてるので、そこにガイドを入れながら錐で穴を開けたと言われています。
穴あけ後に台を変形させれ溝は隙間が無い状態にしてあるものが多いです。
また、背割りは先端から入っているものと、この銃のように途中から入っているものがあります。
この銃の場合は途中から入った背割りの先端は象牙か何かの骨かで矢形の部品が入っています。
背割り終端には花形の金具が入っています。
その前に矢の形をした金具も入っていますが。


台の後端には芝引金という金具が付いています。
装填は銃を立てて行うので、地面に当たる部分が傷つかないように補強が必要なのです。




銃床には火縄通しという穴が開いていて、真鍮の筒が貫通しています。
木だと燃えてしまう可能性もありますしね。
実際に使う火縄は先端がこんなに広がっていては駄目です。
ちなみに、火挟の火縄が付く部分を貝口、穴を猪目と言います。



火縄消しというのもあります。
窪みに火縄を入れて空気を遮断して消そうと言うわけですね。


カラクリは一番数が多いであろう平カラクリです。
部品点数が少なくて製作しやすく、引き金も軽い一方で信頼性は劣ります。


火挟は蟹の目という出っ張りでロックされます。
この銃の場合は花形のカニ目を隠している部分を疣隠し、蟹ノ目隠し、関金、火挟押しなどと言います。
関金と言うのはこのカニ目のある部品の名称が盗人金なので、関所から来ているようです。
火挟押しと言うのは、火挟がグラついているとカニ目から逃げて上手くかからない時がありますが、
逃げないように押さえることが出来るからでしょう。



上から差してある天井鋲(矢倉鋲)を抜くと火鋏と横鋲が外せます。



矢筈鋲を抜いて後ろにずらすと弾金(毛抜き金、松葉ばね、メインスプリング)が外れます。
弾金を外すことで胴金(バンド)を前に動かせます。
地金の前側は胴金で押さえられているので、
胴金を動かさないとカラクリは外れません。




次に地金鋲を二本抜いた後に、穴はあっても鋲のない穴に棒を差し込みカラクリを押し出します。
この銃は用心金も地金鋲で固定されていたので、この段階で外すことができます。


この状態で地金に残っているのは盗人金(シア)と押金(シアスプリング)だけです。




押金を持ち上げてずらすと盗人金が外せます。
盗人金の溝が台に乗っているだけなのです。


引き金は木の軸で固定されています。
ここだけ何故か木なので、これが折れて引き金がなくなっていることも。
金属で軸が出来ていたり穴の周りに金属の補強のある銃もあります。


これでカラクリの分解は終了です。
押し金を止めている鋲は変形させないと外せませんしね。
カラクリの可動部品は非常に少ないことがわかります。




地金は後ろに行くほど厚くなっています。
また、断面も台形で表ほど厚く、後端も表側が出ています。
こういうテーパーなので鋲で打ち込めば密着するわけです。
ただ、カラクリの入り具合で引き金と盗人金の当たり具合がかわり、
火鋏がかかりにくくなったり、解放されなくなったりします。
この銃もテープを盗人金を巻いて誤魔化しています。
盗人金を曲げて調整してもいいのですけどね。






カラクリだけで組み立てて構成をみるとこんな感じです。

久々にかなり時間をかけた長いき記事になりました。
画像も多分必要以上に多め。
ここまでやれば火縄銃の構成が順番はとにかく大体書けたと思います。
間違いがないといいのですが。
部品の部位ごとの名称なども載せるともっと長くなりますね。  

Posted by ラスティネイル at 03:04Comments(2)古式銃