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2018年08月18日

穴照準の火縄銃



色々な特徴を持っていて分類が良くわからない火縄銃を入手しました。



銃床後端は切り落としたような平らな形状です。
用心金が四角い棒を曲げて作ってあり、引き金も丸ではありません。




カラクリは平カラクリですが、地金が大きく、後端が丸いです。
いぼ隠しが四角の上が波打っているような形状です。
全体的に部品が大きくて大雑把な感じに見えます。
残念ながら雨覆いは欠品です。


矢倉鋲の周りの補強の金具が水滴形です。


銃身の根元には岐阜県と二つ入っています。
逆さの方が打ち損じでしょうか。
登録は愛知県です。


銃床の下の矢の形をした金具は大きく、銃身長さの1/3以上あります。



銃床下側がくっきりと斜めにカットされています。
一般的な火縄銃はこんなにくっきりしておらず、先に行くほど勾配が急で細くなっていく感じでしょうか。
どちらかというと先端付近に平らな部分を残してあるのが特徴かもしれません。
依託射撃や置くときの安定性向上でしょうか。単なるデザインの可能性もありますが。



照門は四角い穴が開いて本当に門型です。
上の溝も太く浅い溝の真ん中に細い溝があります。




照星は太くて、上に溝、中に四角い穴があります。
口径は三匁ですね。


照門をくっきり見るとこのように見えます。


ぼやけてしまっていますが、実際に狙うとこんな感じです。
太い溝と照星は非常に狙いやすいです。
一般的な火縄銃はサイトピクチャーを確保するだけで大変ですから。
照星の溝を使えば精密に狙えます。
照門の溝は・・・あまり必要性を感じません。


ピープサイト(孔照門)を覗くとサイトピクチャーはさらに確保しやすいです。
現代のリングサイトに近いものがあります。
しかし、的が見えません。
照星の穴から的を見るのは困難です。
どちらかというと照星の中心がわかるための穴かもしれません。
的は左目で見ると。それとも、昔の人は目が良くて穴から見えたのでしょうか。
ちなみに、上の溝で狙っても、穴照準で狙っても狙点は同じです。
このような特殊な照準でも特別精密に狙えるような感じはしないので、
目が悪い人用に工夫された照準なのかもしれません。




ネジは割と綺麗な形でしっかりしていますが、尾栓が逆テーパーで先端の方が太いです。
ネジ山を見ても減ってるというわけではないので不思議です。


鉄砲鍛冶の銘は江州国友藤太夫 正知です。
国友は注文を受けて作っているので、国友の形っていうのではない銃がたくさんあります。
この銃も作られたのは国友ですが、何流なのか、どこに近いものにしたのかわからないです。


台師は大嶋吉兵衛甫です。
甫というのは実名ではない名前の後につけたりするようなので、
職人として引き継いだ名前だからでしょうか。
大嶋吉兵衛は何代もいるようです。



カラクリの取り外しは平カラクリなので基本的に以前の日野筒と同じです。


カラクリだけ組み立てるとこのようになります。



盗人金は鉄で出来ていて、ピンで固定されています。
ピンは穴が開いていて糸などを通せば抜け止めになります。
銃床に収まっていればどちらにしろ抜けないですけどね。
切り欠きだけのものと比べると部品点数が増えて、作るのも手間がかかっています。
ピンの方がスムーズなのは確かでしょうから、手間と見合うかどうかですね。




盗人金が鉄だからか、火挟の盗人金と当たる部分も鉄が埋め込まれたいます。
ちゃんとあり溝になっています。
減っても交換できていいかもしれませんね。



押金も鋲ではなく噛合せで固定されているので分解できます。
外からは大雑把なカラクリに見えましたが、中身は丁寧ですね。


金具師の名前が・・・読めないです。


それでも平カラクリなので部品点数は少ないですね。

火縄銃で見たことがないようなものを見つけると買ってみたりしますが、
実は割と数があっても自分が見たことがないだけの場合も多々あるのでしょう。
始めたばかりでそんなに数は見ていないですからね。
逆に、実際は有り触れた大したことないもので珍しがれたり、
感動できるのが初心者の幸せな時期なのだと常々思います。  

Posted by ラスティネイル at 14:59Comments(0)古式銃

2018年07月20日

ペッパーボックス



7mmピンファイヤーで6連発のペッパーボックスです。
ペッパーボックスと聞いて、このデザインを思い浮かべる人も、ピンファイヤーだと考える人もあまりいなさそうですが、
ピンファイヤーだけにペッパーボックスの中でも最後の方の機種なのか洗練されています。
相変わらずサイトは無くて狙う気はありませんが。


サイズは非常に小さいです。
口径小さいのもありますが。


同じ弾のルフォーショーリボルバーと比べても小さいです。
ルフォーショーが大きく見えますね。


上から見るとペッパーボックスのバレルが嵩張る感じがしますね。


ハンマーが無い上面はのっぺりとしています。
ポケットの中からでも問題なく撃てるでしょうね。
これほど引っかかりのない銃は珍しいのでは。



リングトリガーの前にあるのがハンマーです。
ハンマーレスおか、アンダーハンマーと呼ばれる方式です。


ある程度トリガーを引けばハンマーが落ち(上がり?)ます。



トリガーの前側にハンマーのかかる部品があり、トリガーを引くとその部品の耳がフレームの穴の縁に引っかかり、
回転してハンマーを解放します。


バレルにリェージュのマークがあるのでベルギー製ですね。


装填はバレルの前にあるナットを回します。



バレルが抜けます。軸は空薬莢を抜くのにも使えます。
ライフリングはありません。弾は丸くないはずなのですが。


ハンドとハンマーが見えます。


軸にはバレルが回らないように抑えるバネがあります。




バレルにはナットを固定するネジがあります。
しかし、バレルの薄い壁の中にネジの先の軸を通すなんて凄い技術です。


まあ、片側は壁に穴が開いてしまってるんですけどね。
出っ張っていなければ問題無しなのでしょうか。


サイドプレートを開けてみました。
ネジがフレームを貫通していて、ネジの頭の反対側にサイドプレートがあります。
表面はいかにも鋳物といった感じです。



バネが強いのでこれ以上の分解はしませんでしたが、
ハンマーとトリガーが同軸についていることがわかります。
奥にあるプレートがハンドですね。
上にある板がメインスプリングです。
下にある板がトリガースプリング・・・らしきものです。
リングトリガーなので指で前に戻しますし、このバネはトリガーをかなり引くまでは浮いていてテンションがかかりません。
不審に思ってパテント図を見てみましたが、やっぱり浮いているんですよね。
メインスプリングは実物もパテント図も最初からしっかり当たっていますが。

ペッパーボックスなのに洗練されたデザインと言うのも不思議なもので、
用途からして求められるデザインも独特なものでしょうか。
近未来的にさえ見える丸っこいデザインで、テカテカにメッキをしたら光線が出そうな雰囲気になりそうだと勝手に思っています。
あと、結構手に馴染む形状です。  

Posted by ラスティネイル at 01:33Comments(2)古式銃

2018年07月15日

管打ち式の和銃



管打ち式の和銃です。
火縄銃の形をした管打ち式の銃は人気がなく、割りと安く買えるので古式銃を初めて買うにはお手軽でお勧めです。
状態が良くてもそんなに高い値にはなりません。
まあ、この銃は状態も悪く、確か5万円程度で買ったものですけどね、安かったからつい・・・
錆の塊みたいなものになると3万円台で買えますね。
しかしながら、人気が無いとか、安いからといって侮ってはいけません。
完璧とはいかなくとも、見所のある銃も多々混ざっているのですから。


この銃の特徴は小口径で肉厚の銃身です。その分思いですけどね。
右側がこの銃で口径11mmです。左は口径の近い比較用の一般的な火縄銃で口径10mmです。



銃身の外側の一番細いところは火縄銃の方は16mmなのに対して20.5mmでかなり太く感じます。
肉厚で3mmと4.75mmでそんなにわけではないのですが。
薬室周りは火縄銃が27.5mmに対して25.5mmとむしろ細いです。
太さの変化が無いのでずんぐりした印象です。


銃身以上に銃床は太さの変化が少ないです。



カラクリは火縄銃と違った軸が地金にささっているのがわかります。
カラクリを固定するためのネジはかなり小さいです。



用心金が無くなって(切断)されています。
用心金の土台部分があるのは和銃では珍しいですね。


ニップルは割れていました。
ニップルの取り付け部は最初から管打ち式で作られた形状ですね。
それに対してハンマーは取って付けたような安直な形状です。


銃床の薬室下部分にはこのように木に花が咲いた飾りが埋め込まれています。


元目当てです。
銃身は丸の上面に一段高く平面があります。

先目当てです。
らっきょう形の柑子が何だか汚い感じがしますね。

パーツクリーナーで拭いたら綺麗な銀色が出てきました。
黒々とした銃身に見えますが、錆びているのを骨董商が状態を良く見せるために塗っていて、
一緒に銀部分も塗られてしまったのでしょう。
木部がラッカー塗装されている銃も多いですしね。

柑子はあまり膨らんでいません。そもそも銃身が細くなっていないので、
柑子をそれより太くする必要性があまり無いのでしょう。



真鍮?部品も黄色く塗られていました。あまり見ない色の材質の金具ですね。
絵も変わっていて、丘の上に神社と御神木があって、奥の方が山ですね。



下側の飾りも色が変わるとイメージが違いますね。金具自体も違う場所のですが。


地金は塗装を剥がしてもあまり変わらず、飾りより材質の色が濃いようです。


銃身根元近くの飾りは山の中の矢倉の上に建物があり、胴金の方に丸い月があります。


銃身を外すと銃床に入ってる部分はかなり錆びていました。
出てる部分との境目がはっきりわかります、塗られているのもありますが。


銘も読めず、登録証では不明となっていました。
裏側は八角形の形状です。


尾栓は丸に溝が入っています。
錆びているのでまだ外していません。



銃身裏側の錆を見ていると、ザラザラした錆と黒く艶のある部分が交互になっていて、
良く見ると左捩れの螺旋になっています。
錆を落として色が変わるか確かめてみることにしました。錆が落ちてわからなくならないことを願いながら。



見事に模様が出てきました。
銃身というのは鉄の板(瓦金)を丸めて筒にしていて、そのまま仕上げるとうどん張りと呼ばれる銃身になります。
上等なものはリボン状の鉄(葛)を巻いて繋ぎ目が開くようなことを防ぎ、巻張りと呼ばれています。
銘の近くに巻張、総巻張、二重巻張なんて入ってるのはそういう工程を得た上等な筒だと表しているわけです。
それで、そのリボンを巻くときに違う材質のリボンを並べて一緒に巻くと、交互に並ぶのでこのような模様になります。
銃に限らず、色が交互に巻かれているのは蛭巻といいます。


錆を落とした部分と、落としていない部分と一緒に見ると全くの別物ですね。


錆を取るときに、色が残る筈の部分に傷が入ると一緒の銀色になってしまいました。
完全に磨いても境目がわかるのか、その後に黒染めして色の差が出るのかも興味がありますが、
自然な色を無くすのも勿体無いのでやめておきます。
製作時の仕上げはどのようなものだったのでしょうね。
表側も錆を落とせば同じ模様が当然出てきますが、
丸は錆が落としにくく、さらに上面が一段出てるので大変そうです。塗装もされていますしね。
ちなみに、銀色になったのは錆びていた方で、色が残っているのは艶のあった方です。
艶のある方は錆ではないので錆を落としても変化が少なく、錆びていた方は錆ごとサラサラと色が落ちました。
今まで錆を落としていてこんな簡単に色が落ちることは無かったので、この材質は初めてですね。
二つの材質を合わせて長所を合わせ持たせたかったのか、単に外観のためなのか。
銃床が虎目の銃の中には明らかに銃床と銃身の縞を合わせた感じのもありますけどね。


銘は丸山義房作で巻張とかは書いてないですね。
こっちも錆を軽く落としたので模様が少し見えています。


カラクリを外しました。

カラクリを止めているネジは小さく頼りにならない感じです。

トリガーは金属製の土台についていました。
これは管打ち式なので洋式銃の構成を意識して一緒にしたのですね。

シアがかからないと思ったらシアスプリングがありませんでした。
バネが松葉バネではなく一枚の板なのは珍しいですね。

シアスプリングが入っていたであろう溝です。


ハンマー軸は四角いナットで止められています。
洋式銃ではナットはあまり見ませんが、和製の管打ちではままあるようです。
バネの先端が滑りながらハンマーを回転させる力を伝えるのではなく、
小さな部品を介して引っ張るようにしています。
これもエンフィールド銃などからでしょうね。

バネを回らなくしてテンションをかけるためだけのネジがあります。


地金は火縄銃と同様に厚さが変わっていています。
カラクリの分解もしてもいいのですが、真鍮製のネジ山が心配なのでやめておきました。

管打ち式の和銃ですが、火縄銃を改造したものと違い、管打ち式にするためにと考えて作られたのがわかる一丁です。
蛭巻の模様も銃身の製法が目で見てわかる興味深いものでした。  

Posted by ラスティネイル at 02:12Comments(0)古式銃

2018年07月12日

ミニエー弾の鋳型



58口径のミニエー弾の鋳型を手に入れました。
エンフィールド銃やそれらを後装式にしたもの、スプリングフィールド銃など用です。
銃があるなら弾も用意できないと?



錆びていてちゃんと閉じません。


中子を兼ねた蓋を外して錆を軽く落としていきます。
小さなネジはテーパーがかかっていて、山が浅い出来の悪いもの。
この造りは日本製の鋳型ですね。


こちらも錆を多少落としました。
弾に横方向の溝が入らない形状です。
あの溝は油や蝋を充填して、銃身に鉛が付着しないようにするためのものですが、
日本製の弾は無いものが多いようです。


穴が傾いていて、端面で真ん中に開いていない・・・これで弾が抜けるということはあまり丸くも無さそうです。
まあ、端面付近は蓋があるので直接弾がある場所ではないのですが。


組み立てたら大体閉まりました。
ちなみに、四角い鋳型部と持ち手は別部品です。
取り替えて違う弾も作ったのでしょうか。


上から湯(溶けた鉛)を入れて、

開きます。
しかし、弾のスカート部を作るための中子で弾が抜けないので、

中子がスライドして弾が取り出せるようになります。
熱いと触れないので、やりにくい気もしますが、慣れなのでしょうか。

近いうち実際に弾を作ってみたいですね。  

Posted by ラスティネイル at 00:33Comments(2)古式銃

2018年07月07日

立体的な



和銃のカラクリに立体的な彫り物がしてあるのを見かけたので買ってみました。
切断された銃床の一部ですが。
銃としてこういうカラクリが付いているのも見かけますが、値が5倍以上になりますしね。

地金には龍が彫られています。牙、爪、髭などは色のある金属が象嵌されていますね。



撃鉄も龍の頭になっています。

管打ち式やスナイドル式、アルビニー式と実用性を求めて火縄銃から移っていった時期のものだと思うのですが、
それにこんなに凝った彫り物をしているのも不思議なものですね。
  
タグ :古式銃

Posted by ラスティネイル at 16:58Comments(0)古式銃

2018年07月04日

エンフィールド騎兵銃


以前に唯一見たことのあるエンフィールド騎兵銃は状態が悪いのに高くて買えなかったと書いたことがありましたが、
今回は同個体を半額で入手できました。
それでも高かったですけどね。
昔の日本人は体格が小さく、ストックを短くするのが好きだったようですが、これは10センチも短いです。
子供が使っていたのか、鎧を着ながら使ったのかと言う程度ですね。


エンフィールド銃は2バンドで全長125センチ、砲兵銃で102センチ、騎兵銃で94センチです。
これは銃身長さの差で、騎兵銃(画像下)は砲兵銃(画像上)よりも8センチ短いわけです。




起伏式の3段階のリアサイトです。
100、200、300ヤードとなります。
長距離には対応していませんが、操作は簡単ですね。


騎兵銃にはラムロッドのガイドという便利装備があります。
ガイドを回すだけでラムロッドが銃身の位置に自然と行くわけで、
馬上での装填を補助するための贅沢な機構です。
これは長物では装備されている種類の銃が少なく、ちょっとした憧れの装備です。


まずはラムロッドを抜いて

一旦押し込んで

ガイドごとラムロッドを回して

ラムロッドを押して弾を詰めて

ラムロッドを抜いて

ラムロッドを回して

ラムロッドを引いて

最後にストックに納めて終了。
なんというか、思っていたのと違うと言いますか、率直に言って嫌になるぐらい面倒。
三回も往復させなきゃいけないのもそうですが、操作性も良くない。
なるほど、道理で他の長物には装備されていないわけですね!
もはや最初にラムロッドを引き抜いたら、そのまま刺さってた側で弾を押し込んでしまいたい。
でも、そっち側は径が細いから上手くはいかないかもしれないですね。
とはいえ、イギリスは弾がボールの時代から数十年は騎兵銃でこの機構を使い続けていたので、
当時としては、もしくは実際に馬上で使うにはメリットがあるのでしょうか。
また、銃身の短い拳銃ではわりと見かけますが、往復させるにも距離が短ければ手間にならないからでしょうね。
欲を言えばラムロッドがストックに収納されず、外に出てれば、最初に引く動作を必要とせずに回して、
弾を押し込んで、抜いてから回して固定するだけでとても便利です。
見た目はかなり悪いですけどね。
日本のドンドル銃の場合はそんな感じで実用的に使えるからか、非常に多く装備されている機構ですね。
ラムロッドは銃身の下でむき出しで、トリガーガードに後端が固定されているだけ。
そもそも銃身がむき出しなので見た目も気になりませんし。

ところで、この銃もエンフィールド銃ですがライフリングは3条です。
一般にエンフィールドは5条と言われていますが、それは後の方のモデルが多いのではないでしょうか。  

Posted by ラスティネイル at 01:35Comments(2)古式銃

2018年06月25日

火縄銃の研究を


古式銃は洋式銃中心で後装銃の各方式を手にしてみるというのが個人的な目標でしたが、
後装銃はそんなに出回っていないですよね、私の買えるような値段では・・・
そんなわけで火縄銃も個人的な研究テーマに加えることにしました。
火縄銃は好みで買っていましたが、手にしたことのない産地や流派のものは買っていってみようかと。
火縄銃も高い銃は洋式銃に劣らない額となりますが、各流派でも安いものは安い。
手にしてみて調べたら、気に入らなかったものは売ってしまういます。
若干の損失は出ても実物を手にした知識が得られればいいかなと。
古式銃自体が買った中で手元に残っているのが4割ぐらいですね。
所持している数を増やさないと段々と割合は下がっていくわけですが。


そんなことを言いつつ、洋式銃の前装銃も手に入れています。
今週末はプラグ(尾栓)を外したり、銃身内を磨いたりしていました。
プラグが取れると外せると嬉ですね。  

Posted by ラスティネイル at 01:15Comments(0)古式銃

2018年06月15日

P1839 エンフィールド小銃


エンフィールドのP1839小銃です、多分。
パーカッションロックですがフリントロック時代の名残が見える形状です。



王冠マークもTOWERの文字もあります。


しかしながら、17ゲージの滑空銃です。
ミニエーじゃないエンフィールド銃もあるのです。
フリントロックのもありますしね。
17ゲージなので.65口径の16.5mmですね。
577口径の14.66mmのミニエー銃と比べて大口径ながら、射程は短いと。
プルーフマークは一つだけですね。
照準はフロントサイトしかありません。
リアサイトの跡はないので、無くなったのか、元から無いのか。
P1839はリアサイトがあったりなかったりするみたいですね。
射程が短く、サイト自体がない銃も多い時代です。



銃床には武具方と削ってあるのと、壬申三千六百四十三 香川縣とあります。
古式銃としての登録も香川県です。
日本に入ってきたのはいつだかわかりませんが、
ミニエーのエンフィールドが欲しくて、入手できたのがこれだったらなどと考えてしまうとやるせない気持ちになりますね。




ロックはミニエー式より大きいです。
ハーフコック、フルコックとあります。
トリガーは補修されているのか、幅を広げたかったのか変な形にされてしまっています。


ロックの反対側にはネジ受けがありますが、これはゲベール銃のように繋がったタイプです。
それ自体も真ん中で木ネジによる固定がされえいるのと、真ん中が膨れたデザインで手間がかかっています。
見にくいですが裏側は逆に真ん中が凹んでいるので、叩いて立体的にしたようです。
また、四本の溝があります。




ロックはメインスプリングがネジ止めされているのと、バネが直接ハンマーを押しているのが特徴でしょうか。
ミニエー式だとバネはハンマーを引くようなリンク部品がありますね。



ハンマー、プレート、ネジにも四本の溝があります。

トリガーガードは比較的小さなネジで固定されています。


手間のかかったラムロッド収納部。
これらの金具はピンで止まっています。
銃身もバンドではなくピン固定なのがフリントロック時代に近い感じですね。
P1839の銃身はピンでなくウェッジで固定されていることが多いようですが。



銃身のピン穴の土台はスイベルのすぐ後ろに使われていない(銃床に穴が無い)のも一箇所。
場所間違えたのを誤魔化してあるように見えるのは気のせいでしょうか。

形状的な埋め込みではなく、銅合金によるロウ付けのようです。

銃身後部はのっぺりとした感じです。


銃身にもやはり四本の溝があるので、ちゃんと元からの組み合わせのようです。
ピン穴一箇所は最初からおかしいのでしょうね。
プラグ(尾栓)は別に作ったタング部をくっつけてあるのがわかります。

ミニエー式と比べると大口径ですが、むしろ華奢で軽い感じです。
ライフリングが無くて圧力が上がらないから十分なのでしょうか。  

Posted by ラスティネイル at 01:32Comments(0)古式銃

2018年06月08日

土佐筒


今回は土佐筒です。
五日前に投稿した日野筒は非常に手間をかけましたが、現在までのアクセス数60と類を見ない不人気記事でした。
なかなか残念な気分になりましたが、火縄銃関連を続けていきます。
話を戻して土佐筒です。土佐筒はわりと人気がありますね。





特徴の一つは縦の鋲で止まったカラクリ。
なので、側面はすっきりしていて、上下には金具類があります。
まあ、普通の火縄銃でも上下は派手な飾りのものが多々ありますが。
外にバネはありませんが、火挟はカニの目でロックされるのがわかります。

目釘穴などの穴を補強する金具は花びら一枚一枚分かれていて手間がかかっています。
ただ、補強としての機能は少し疑問が残りますね。



表一角(丸くて上だけ平ら)の銃身です。
マズルの外側の角が大きく丸められている銃も土佐筒にはあります。


雨覆いは楔の代わりに縦のピンで固定されています。

尾栓の頭にある穴も縦です。
縦が余程好きなのでしょうか。
銘は土州住柳本喜平重義作です。

先キ六寸鋼入となっています。
銃口部は装填時に磨耗しやすいからか鋼になっているようです。
ただ、少し引っかいてみた感じでは硬さの違いはわかりませんでした。
切断して組織を確認するわけにもいかないですしね。


尾栓は山が大きめでテーパーです。
山が大きいと安心感がありますね。


上から刺さっている鋲を2本外せばカラクリが外せます。
カラクリだけで機能が完結しているので、木の収縮などの影響が少ないですね。
引き金の軸がカラクリの入るスペースにあると言うのも他に見ない特徴です。


鋲はテーパーにはなっておらず、抜け止めの出っ張りが付いています。
溝ではなく、実際に出っ張っています。
全周ではないのもまた不思議な感じ。



カラクリの作りは平カラクリのバネが内側のゼンマイになったようなものですが、
盗人金を動かすバネの押金が火挟の軸を固定する役割を持っています。
一つの部品で二役ですね。




押金は盗人金側を持ち上げて回して、スライドさせると外せます。



これで部品が全部外せます。
火挟の軸は固いので外しませんでしたが。


火挟の軸には上と書いてあって、抜いても向きを間違える心配が無さそうです。
火挟の本体は鉄製で、軸と貝口は真鍮です。盗人金も鉄なので磨耗には強そうですね。
貝口に開けた穴に本体の鉄部を通して固定しているらしく、貝口の内側に錆びている鉄が見えます。

地金はやはり後ろほど厚く、表側が広がったテーパーが付いています。

ゼンマイは一枚の板で出来ています。
一周目は火挟の軸に合わせた四角に巻き、一周目の外側の角を削って丸くしてから、
二周目以降を丸く巻いていっています。

以上、個性的な土佐筒でした。  

Posted by ラスティネイル at 23:30Comments(2)古式銃

2018年06月03日

日野筒



所持する火縄銃の中では一番一般的な形状だと思われる日野筒で火縄銃について構成の詳細を書いてみようと思います。
八角の銃身で平カラクリのものです。
各部の名称などは流派によって違いますが、出来る限り一般的な名称を狙います。

まず、火縄銃の構成部品を大きく分けると、筒(銃身、バレル)、台(銃床、木部、ストック)、カラクリ(メカ部、ロック)となります。
筒は鉄砲鍛冶が作り、銃の良し悪しはほとんどこれで決まります。
台は台師が作ります。今の技術で作るには筒より難しいのではないかと思います。
カラクリは金具師が作り、真鍮製が多いですが、鉄製の地域や流派もあります。



火縄銃の火縄から火薬に点火していく部分が火皿、安全装置である火蓋、火蓋を止めているピンが篭棒です。
火皿は大きな丸い部分を大山、篭棒がある小山、点火薬を載せる池、銃身内に火が入っていく火道があります。
火皿の横に立っている金具は雨覆いです。
銃身の方から雨水が火皿に流れないようになっています。
火道から噴出すガスで銃身を傷めないようにという話もあります。
火皿の後ろに煙返しという板がある場合があり、ガスが射手の方に行かないようになっています。





雨覆いは銃身に差し込まれた後に楔で固定されています。
この二つの部品は紛失されていることが多いです。



銃口(マズル)は巣口と言い、照星(フリントサイト)は先目当です。
照星はこの銃のように銀が埋め込まれていることもあり、
先端だけ小さく光っているのを見ると照星と呼ぶのも頷けます。
この銃身は八角で上三面が凹面になっています。
弾を込めるための棒はカルカと呼ばれることが多く、他に搾杖、込め矢、ラムロッドなど。
木製のものが多く、折れることもあり、残っていないものも多いです。
鉄で作られることもありますが、火花が散って点火する可能性も考えると木製が安全です。




この銃身は八角で上三面が凹面になっていますが、
先端付近は八面とも凹面になっています。
銃身は先に向かって細くなっていくのですが。巣口付近でまた太くなっていきます。
その太くなっていく過程で凹面になっていきます。
銃身先端を膨らませている部分を柑子といいますが、
この銃の場合は柑子無しです


銃身下部には銃床に取り付けるための目釘穴が取り付けられています。
これは銃身に入る部分が太くなっていく別部品を入れてから銃身を叩いて密着させて固定しています。
照準も同様ですけどね。


銘は江州日野和田治太夫造之となっています。
どこで、何系の鉄砲鍛冶の誰が作ったかとういないようです。
他に材質や製法、火薬量、シリアルナンバーが入っている場合もあります。
日野筒は特徴があまり無いのでどんなのが日野筒なのか説明できないですが、
少なくともこの銃は日野と銘があるので日野筒なのでしょう。





尾栓は頭が四角くテーパーで、横に穴が開いています。
尾栓は火道のすぐ横まで伸びていて、この銃はわずかで見にくいですが、
先端の火道側が削られて火が入っていくようになっています。
尾栓は固定される向きが決まっているわけです。
また、銃床には尾栓の入る四角い穴があって、しっかり嵌ります。
これは緩み止めを兼ねていて、やはり尾栓の位置が正しくないと入りません。
頭がテーパーなのは組み立て時に銃床に入りやすいようになのでしょうけど、
錆び付いて尾栓を外すときはレンチがそのままでは使えず苦労します。
ネジ部もテーパーになっていて、山の角度が前側と後ろ側で違います。
今でも鋸刃形としてありますが、それとは逆で締結側の方が角度が緩くて力がかかりにくい変な形状です。
でも、火縄銃で山の角度が違う場合はみんなこうですね。


台の筒を固定するための穴は目釘穴、シノギ目などと呼ばれ、金具で補強されていることも多いです。


照門(リアサイト)は元目当です。
溝は非常に小さく見にくいです。



カルカを入れる穴を矢袋と言います。
直径1センチ以下で深さ1メートルぐらいの穴が開いていることもあり、
真っ直ぐ開けるのが非常に難しいものです。
台の下部に背割りという溝が入っていてるので、そこにガイドを入れながら錐で穴を開けたと言われています。
穴あけ後に台を変形させれ溝は隙間が無い状態にしてあるものが多いです。
また、背割りは先端から入っているものと、この銃のように途中から入っているものがあります。
この銃の場合は途中から入った背割りの先端は象牙か何かの骨かで矢形の部品が入っています。
背割り終端には花形の金具が入っています。
その前に矢の形をした金具も入っていますが。


台の後端には芝引金という金具が付いています。
装填は銃を立てて行うので、地面に当たる部分が傷つかないように補強が必要なのです。




銃床には火縄通しという穴が開いていて、真鍮の筒が貫通しています。
木だと燃えてしまう可能性もありますしね。
実際に使う火縄は先端がこんなに広がっていては駄目です。
ちなみに、火挟の火縄が付く部分を貝口、穴を猪目と言います。



火縄消しというのもあります。
窪みに火縄を入れて空気を遮断して消そうと言うわけですね。


カラクリは一番数が多いであろう平カラクリです。
部品点数が少なくて製作しやすく、引き金も軽い一方で信頼性は劣ります。


火挟は蟹の目という出っ張りでロックされます。
この銃の場合は花形のカニ目を隠している部分を疣隠し、蟹ノ目隠し、関金、火挟押しなどと言います。
関金と言うのはこのカニ目のある部品の名称が盗人金なので、関所から来ているようです。
火挟押しと言うのは、火挟がグラついているとカニ目から逃げて上手くかからない時がありますが、
逃げないように押さえることが出来るからでしょう。



上から差してある天井鋲(矢倉鋲)を抜くと火鋏と横鋲が外せます。



矢筈鋲を抜いて後ろにずらすと弾金(毛抜き金、松葉ばね、メインスプリング)が外れます。
弾金を外すことで胴金(バンド)を前に動かせます。
地金の前側は胴金で押さえられているので、
胴金を動かさないとカラクリは外れません。




次に地金鋲を二本抜いた後に、穴はあっても鋲のない穴に棒を差し込みカラクリを押し出します。
この銃は用心金も地金鋲で固定されていたので、この段階で外すことができます。


この状態で地金に残っているのは盗人金(シア)と押金(シアスプリング)だけです。




押金を持ち上げてずらすと盗人金が外せます。
盗人金の溝が台に乗っているだけなのです。


引き金は木の軸で固定されています。
ここだけ何故か木なので、これが折れて引き金がなくなっていることも。
金属で軸が出来ていたり穴の周りに金属の補強のある銃もあります。


これでカラクリの分解は終了です。
押し金を止めている鋲は変形させないと外せませんしね。
カラクリの可動部品は非常に少ないことがわかります。




地金は後ろに行くほど厚くなっています。
また、断面も台形で表ほど厚く、後端も表側が出ています。
こういうテーパーなので鋲で打ち込めば密着するわけです。
ただ、カラクリの入り具合で引き金と盗人金の当たり具合がかわり、
火鋏がかかりにくくなったり、解放されなくなったりします。
この銃もテープを盗人金を巻いて誤魔化しています。
盗人金を曲げて調整してもいいのですけどね。






カラクリだけで組み立てて構成をみるとこんな感じです。

久々にかなり時間をかけた長いき記事になりました。
画像も多分必要以上に多め。
ここまでやれば火縄銃の構成が順番はとにかく大体書けたと思います。
間違いがないといいのですが。
部品の部位ごとの名称なども載せるともっと長くなりますね。  

Posted by ラスティネイル at 03:04Comments(0)古式銃

2018年04月07日

分業制

火縄銃は分業制だったと特に国友の話ではよく言われています。
銃身を作る鉄砲鍛冶、カラクリを作る金具師、銃床を作る台師と。

登録証上は江州国友忠三郎頼綱となっている銘の銃ですが、実物は根元の方が読むのが困難になっています。
とにかく国友の銃です。

台には大鳴源か大嶋源(以下読解不能)と墨で書かれています。
後々台の着色の時に後ろの方はまったく読めなくなってしまったようです。
台に銘が入っているのは少ないですね。
何かあれば簡単に消えてしまいそうですし。

カラクリには木槌の絵に「国」と入っている刻印です。
金具師らしいですね。
金具師の刻印もあまり見ませんが、地金の裏側に入っている場合もあり、
なかなかそこまで分解しないですね。
印鑑のような書体で(私には)読めないことも。
しかし、この銃の国というのは金具師も国友なのでしょうか。
それにしたって、国友を名乗る人はたくさんいたわけで、
国じゃ誰だかわからないと言いますか、使うのを認められるのが難しそうな字です。

火縄銃は鉄砲鍛冶の銘ですら所属ぐらいしか大事にされないですね。
作られた時代ぐらいは銘でわかるといいのですが。  

Posted by ラスティネイル at 22:03Comments(0)古式銃

2018年03月30日

メンテ中


購入してから半年以上は放置していたウィルソン銃をメンテ中です。
機関部作動として買ったこの銃はボルトが錆びて引けません。
全然動かせないわけですが、トリガーメカは作動したのと、ゲベール銃として売られていたのでよしとしました。
値段もエンフィールド銃したしね。

上のカバーが無いのは作らないとですが、この大きさの鉄を削るのは大変ですね。
海老尻銃なんて呼ばれているウィルソン銃ですが、この個体はT型のボルト後部です。
オリジナルなのかはわかりません。

ストックにW.H.とあるのと、三条のライフリングがあるので海外製なのは確かですけどね。
  

Posted by ラスティネイル at 01:53Comments(2)古式銃

2018年03月18日

エンフィールド砲兵銃


古式銃のエンフィールド砲兵銃です。
全長102センチは2バンドの124センチよりずっと小さく感じます。
騎兵銃はもっと短いですが、古式銃として実物は一回しか見たことが無いです。
それは状態が悪く、ストックが10センチも短くなっていたのに40万もの値がついていて買えませんでしたが。


ロックにはTOWER、1863、王冠マークがあります。
古いタイプで元々はトリガーガードにスイベルがあるものですが、
スイベルはストックに移して、トリガーガードの穴にニップルプロテクターの鎖が付いています。
肝心のニップルプロテクターは無くなっていますが。

この鎖は両端に穴が開いた金具を組み合わせていくことで連結されていて、
輪を閉じていく必要が無いので合理的です。
一番端は輪を閉じるようにする必要がありますね。

ハンマーの装飾もちょっと手が込んでいて豪華な感じがします。

バレルが短くて、テーパーで薄くなる前に切断されているのでマズルも肉厚です。


ライフリングは3条です。ツイストは画像では緩く見えますが、実物はそうでもないです。
よく、エンフィールドは5条で、スプリングフィールドは3条で命中率が悪いなんて言われたりしますが、
エンフィールドでも3条のものは結構見かけます。

ロックはネジ2本で固定されています。

バレルにはプルーフマークと25の数字があります。
25ゲージは14.514mmで0.571インチです。
エンフィールド銃は0.577口径なので近いところですね。


プラグにはバレルとの位置合わせの矢印と何かのマークの下に2、逆さの5があります。



リアサイトも古いタイプで、サイトを倒したまま調整できる両サイドの耳がありません。
バネもネジではなくピンで止まっています。
文字は残念ながら錆で消えてしまっています。

サイトは角度の広いVの下に小さなノッチがある変わった形状です。

フロントサイトは通常の形状です。

ストックにはバーミンガム・スモール・アームズのロゴがあります。
Birmingham Small Arms Trade輪になっていて、王冠とBSAの文字が真ん中に。

下側にはSWINBURNの刻印があります。

バットプレートには日本での管理用に七十三と彫ってあります。
後から付けられた余計な傷と見るか、日本で使われていた証拠として大事に見るか。
地味に筆使いを再現して彫られているところは、当時の日本人の性格が表れているようです。
バンド2つとプラグのネジを外すとバレルが外せます。

バレル下側にはEZRA MILLWARDの刻印。

F.Bとシリアルらしき1568があります。

CやLの刻印があるようにも見えますがはっきりしませんね。
XIIと傷がつけてあります。12という製造時の管理用の傷ですね。
2桁になっているのは初めて見たかもしれません。

プラグにも1563とバレル後端にMとLがあるようです。

プラグにもXIIの傷があります。

プラグやロックを止めているネジにもXIIと管理されています。
こんなネジは共用できそうなものですけどね。




ロックプレートにはF.BのFが消えかかっているもの、プラグと同じマークの下に2があるもの、W.Pの刻印があります。

XIIもあります。

ストックにはクリーニングロッドを押さえる板バネがピンで止められています。

先端の真鍮金具はネジで止まっています。

砲兵銃で取り回しが良いですし、そのまま射撃ができるぐらい状態が良いので気にっています。
ニップルプロテクターを入手して取り付けたいところ。  

Posted by ラスティネイル at 02:47Comments(0)古式銃

2017年12月16日

3分玉の射的筒


3分玉の射撃筒です。
火縄銃で一般的な3匁玉の1/10の重さですね。口径で言うと6mm弱なので半分弱ぐらいでしょうか。
長さは全長が120センチ、銃身長が86.6センチと普通です。


4匁の銃と比べるとこんな感じです。
肉厚な銃身の先が4匁の銃口内に入ってしまいます。

BB弾は通過できませんでしたが、錆を取れば通るかもしれません。


全体的に非常に華奢です。
金属部分は真鍮にしては赤っぽく、銅の割合が多いのかもしれません。

銃床には明九□ 福岡懸 免許と彫ってありますが、□のところは読めません。
段な気もするのですが。


特徴として照門が三段の折りたたみ式になっています。
洋式銃ではありますが、火縄銃では珍しいと思います。
射的筒だから狙うことを重視していたのもあるでしょうし、
小口径なので弾速が落ちやすく、普通の銃と同じ射撃場で撃つにもこれくらいの必要があったのかもしれません。
照星は台にある溝に入っていますが、この溝は前後には抜けておらず、後ろ側は止まりの溝です。

銃床の上側を見ると黒田家の家紋が後から付けているようで・・・火挟の軸を止めるピンが入る部分に。
福岡懸で黒田家というのはおかしくないのですけどね。
火縄銃は結構な割合で以下の写真のようになっています。



ピンは下側まで貫通した穴に入っていて、これを抜いて火挟を外さないとカラクリが外せません。
ピンの部分に家紋があるので分解が出来ないなと思いつつ裏を見てみました。

ピンの穴を補強する金属部品の穴も塞がれています。
ピンがないようです。
ついでに、古そうで読めない字が彫ってあります。

とりあえず、ピンがない形式の分解法でまずバネを外してみます。
バネを止めるピンは途中まで四角で先は丸い形状で、吊り輪みたいなものもとめています。
吊り輪の部品は×マークがあって、組み立てるときの向きを間違えないで済むのがありがたいですね。


側面のピンを抜いたらカラクリも外れました。
用心金もこのピンで固定されるようになっています。


火挟の軸は四角い穴を空けられ、楔で止められていました。
そのための基部も板に増設されています。
これは多分、手間をかけて機能的な改善を行ったのでしょう。
銃床にあるピンで固定していると、木の寸法変化で緩くなると火鋏がまっすぐに落ちず、
きつくなると動きが渋くて火鋏が落ちませんから、金属部品だけで動きが完結するのは信頼性が高いです。
四角い楔よりも丸いピンの方が今だと作りやすそうですが、昔は四角い方がしっくりと作れたのでしょうか。



火挟の保持は現代銃で言うとセカンドシアがあるような構造になっており、
構造は複雑で作るのが大変そうですが、カニ目式より確実です。
キレは劣る場合が多いかもしれませんが、良くするには閂になっている方の出っ張りを減らせばいいのでしょうね。
カニ目式は軽くてキレが良いかわりに確実性の低いものが多いです。
引き金の重さはゼンマイを引っ掛ける穴の位置で調整できます。

尾栓は物凄く細いと言うわけではなく、8mm口径ぐらいはいけそうな太さです。
何回か脱着してたら全体の錆が取れたので、ガタが少なく全体が当たっていることがわかります。
長さは普通の火縄銃ぐらいあるので、山数が多いです。

実用性の無さそうな小口径なので趣味性が高いのでしょうね。
作りも飾りはないものの丁寧ですし。
ちゃんと当たるのか試したくなる一丁です。  

Posted by ラスティネイル at 20:19Comments(0)古式銃

2017年12月02日

ウェストリー・リチャーズ騎兵銃 分解編

ウェストリー・リチャーズのモンキーテイルの分解をしてみます。
まずは銃身をストックから外します。

フロントのバンドのネジを緩めれば抜ける銃が多いですが、
この銃はバンドの前にピンがあり、これを乗り越えられるだけバンドを広げる必要があります。
騎兵銃だと馬に乗って上下に揺れるから簡単に抜けるようでは困ると言うことでしょうか。

リアサイトの前あたりにバレルを固定しているピンがあり、これも抜く必要があります。

次にトリガーガードを外します。


トリガーガードの裏には三本の溝とMと177?の刻印があります。

ストック側にはH.Cの刻印があります。

トリガーの前に見える太いネジを外すと、フレームとの結合が解かれて銃身が外せます。


ストックにはJHADFIELDと刻印があります。


ストック先端は金属部がありますが、目立つ部分以外も木部と結構長く組み合わさって3本のネジで固定されています。

クリーニングロッドを入れる溝には三本の溝が入れていあります。


ロックプレートにはH.CとT.RIGBYの刻印があります。
プレートは後ろの固定用ネジの部分が一段なっていて、ストックはその分彫られています。

ロックを止めているネジにも三本の溝があります。

銃身とフレームの両方に3355と刻印があります。

裏にはそれぞれにH.Cと12が、銃身には4とも刻印があります。

銃身にはTTという刻印も。

モンキーレイル部のレバー裏側にもH.Cと12です。
フレーム後部にはPと潰れてしまっていますがプルーフマークのような刻印。

レバーにテンションをかける板バネはアリ溝で差し込まれています。

ブリーチにも12の刻印があります。
下側に出っ張っているツノはロウ付けかもしれません。



ブリーチとレバーはアリ溝で差し込まれた後に抜け止めのネジが入れられ、
スライドします。

レバー部上側に丸い部分が見えます。アリ溝部は一体ではなく、リベットのようなもので固定されています。
火薬による力がかかる部分ではないですしね。



真鍮のヘッド部分は5の刻印があるので交換してるのでしょうか。
ブリーチとの結合部が三角の板状と言うのも不思議です。
圧力は円筒部の後ろ側でブリーチに伝わるのですが。
ピン固定で多少遊びがあって、角度が上下に動きます。
この遊びもないと上手くチャンバーに入らないのでしょうか。

レバーを閉じた状態ではブリーチ後端はフレームに当たり、ブリーチの角もフレームの穴の前側に当たっているので、
ブリーチがしっかり固定されていることがわかります。
レバーを下げるときも押し込んでいく感じがしますしね。
レバーを上下に動かすだけで、ブリーチヘッドが銃身内に入ってしっかりと固定されるシステムで、
使いやすさという点は非常に優れていると思いますが、動きが複雑ですり合わせは大変そうですね。

  

Posted by ラスティネイル at 22:05Comments(0)古式銃

2017年12月02日

ウェストリー・リチャーズ騎兵銃

分解編を書いていたら誤って消してしまって再投稿です。
その分解編の方も画像がバグって上手くいきません・・・




ウェストリー・リチャーズ騎兵銃です。
ウェストリー・リチャーズは色々な銃を作っているので、モンキーテイルと呼んだ方がわかりやすいかもしれません。
全長91cmで銃身長も95cm程度と短いです。
正確な銃身長は銃身がレシーバーにネジ込めれているだけでなく、
薬室が銃身とレシーバーをまたがっているのでよくわかりません。

エンフィールド銃の2バンドと比べるとかなり小さいです。
口径も小さいですしね。

ロックも一回り小さいです。
三角の中に1867とWESTLEY RICHARDS&coの刻印があります。

トリガーは結構鋭いチェッカーリングが入っています。
手が込んではいますが、要るのかなとも。
また、エンフィールド系はシアの位置によってトリガーがぶらぶら動く遊びがあるのですが、
この銃はトリガーにバネで常に後方へのテンションがかかっており、遊びがありません。

モンキーテイル部にはWESTLEY RICHARDS PATENTとあります。

ロックなどはなく、持ち上げるだけで開きます。

ハンマーを起こしているときはハンマーに押さえられて開きません。

開く量もハンマーに当たるまでですね。

3355という番号とプルーフマークがいくつかあります。

バットプレートには収納部が付いています。穴も蓋もテーパーになっていて、
ヒンジ支点で回転しても結構密着するようになっています。

基本的に45口径の小さめのマズルです。
肉厚は十分にあります。

リアサイトは普段見える上側には目盛がありません。

起こしたときに後ろから見合える下側に目盛があります。
サイトのヒンジがエンフィールドは後ろで、この銃は前だからですね。
左側に3まで右側に8まであります。
左側のは位置を合わせた後でサイトを寝かせて使います。
右側は8以上上がるスペースはありますが、不要なのか目盛はまでです。

サイトベース側面にも1〜3の目盛があります。

銃身にはWHITEORH・PATENTと刻印があります。
その後ろには小さくWRいありますね。
ウィットウォースはウィットウォース銃の開発者でウィットネジを作った人でもあります。
モンキーテイルの銃身は八角形ライフリング(六角形のや普通のもあるとか)です。

緑に光っている縁を見るとなんとなく八角形に見えるでしょうか。

途中に紙を詰めて撮ると見た目は悪いですがわかりやすいでしょうか。


銃身には451と483の刻印があります。
ウイットウォース銃は六角形ライフリングの銃身に、ネジレの付いた六角形の弾をマズルから装填していましたが、
モンキーテールは45口径の弾の後端が一部太くなっていて、底が変形してライフリングと噛み合うのです。
火薬の力で変形させられる後装填銃のメリットを活かしているわけですね。
円筒から六角形にするよりは八角形の方が力が少なくて済むから八角形なのでしょうか。
ちなみに、薬室付近は断面が丸く、かなり緩やかに八角形になっていくので、
弾はある程度進んで(弾に速度が付いてから)回転が始まると考えるとあんまり良い感じはしないですね。

幕末では指揮官が持っていたようですが、軽いから指揮官向けというだけでなく、
装填容易で、小口径で命中率も良いという実用性の高さもあったのではないかと思います。
小口径と言っても45口径ありますからね。









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Posted by ラスティネイル at 15:14Comments(0)古式銃

2017年11月05日

一聲



象嵌は銃の価値とは関係ないとは言いますが、
象嵌が気に入って買うことも、気に入らなくて買わないこともありますね。
模様を入れているものよりは絵を入れている銃の方が好きで、
この銃の場合は珍しく文字が気に入って購入しました。
銃身に「一聲」と入っています。
読みは「ひとこえ」なのか「いっせい」なのかわかりませんが、
銃の象嵌としてはなかなか面白いのではないかと思います。
銃自体は標準サイズで口径10mmの普通の銃です。
作りは良いですけどね。
射撃に使えそうな一丁です。



残念なことの銃床の後部が別な木で修復されています。
木の質が違うので目立つのは気になりますが、
釘や接着剤ではなく、アリ溝で結合されているのは職人技でしょうか。  
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Posted by ラスティネイル at 01:27Comments(0)古式銃

2017年07月15日

後装填コレクション


後装填式の古式銃です。
古式銃と言えば前装銃ではありますが、後装填式も過渡期で色々なものがあり、面白いです。
すべて登録証付です。日本には様々な機種があったと言うことがわかります。



後装填は発射ガスの漏れが問題でしたが、薬莢式のスナイドル銃は非常に実用的です。
元は紙薬莢ではありましたが、リム付近は真鍮製で、薬莢が広がって気密をとるので漏れにくいです。


ブリーチは銃身と平行軸で回転しながら開きます。
発射のガスで押される後ろ側には元から動きませんし、
ブリーチを開く方向の力が働かないので安心です。


不意に開かないようにクリックが付いています。
また、ブリーチが開いているとファイアーリングピンが雷管を叩くことがないので安全です。


ブリーチを引っ張るとエジェくターが働きます。


アルビニー式に改造された火縄銃で、それなりに数が現存しているようです。
スナイドル銃と同様の薬莢を使います。



装填時はブリーチの上側にある回転軸で開きます。
これは発射の圧力で開くように力がかかるので、前後するかんぬきがロックしています。
ここが破損したり、ロックがちゃんとされていないと、発射の瞬間に開いてしまいます。


ブリーチを最後まで開くとエジェクターが開きます。




テレー銃です。
ボルトアクションのようですが、薬莢は用いず、紙に包まれた弾と火薬を装填し、外のニップルに雷管をつけます。
装填するには、ボルトハンドルを開く、ボルトハンドルを起き上がらせる、ボルトを引くと動作が多いです。
また、装填後にハンマーを起こして雷管を付ける必要があります。
薬莢を使わないのでエジェクターはありません。


ロッキングラグは小さいですが、そんなに圧力が上がらないのでしょうね。

ボルトハンドルには板バネがついていて、閉じたまま、開いたままになるようにテンションがかかっています。
ハンマーをコックするとボルトハンドルが開けなくなりますが、開いた状態での撃発は出来てしまいます。



ボルトの先にはテーパー状の部品が付いています。
当時の銃ではテーパーになった穴と栓で気密を取るのが一般的なので、
ボルトがそのまま後退するのは都合がいいです。
アルビニー銃のように跳ね上がるブリーチにもテーパー状の栓は取り付けられますが、
スナイドルのようなものだと無理ですね。



ウェストリー・リチャードの騎兵銃です。
これも薬莢は使わず、紙に弾と火薬を包み装填、外部に雷管です。
一見、アルビニー銃と同じような跳ね上げ式ですが、ロックがありません。
レバーを上に引っ張るだけで持ち上がります。



実は大きなレバーになっている部分はブリーチではなく、現代で言うところのボルトキャリアーです。
真鍮の栓がついた小さな部品がブリーチです。
画像ではわかりにくいですが、このブリーチはレバーに対して前後するので、レバーを閉じるときは回転運動と直線運動を組み合わせた複雑な動きをします。
そして、レバーを閉じた状態でブリーチはレシーバーの後ろに押しつけられているので、発射の圧力では動きません。
圧力で開くことはなく安心で、ロックも不要なので操作しやすいメリットはありますが、複雑で作りにくくなっている気はします。
ハンマーダウン時しかレバーは開けない安全な構造です。

  

Posted by ラスティネイル at 21:08Comments(8)古式銃

2017年05月06日

エンフィールド銃比較


エンフィールド銃で、上から2つバンド歩兵銃、砲兵銃、騎兵銃?です。
砲兵銃と騎兵銃は混同されることが多いですが、
ものの本によると全長がそれぞれ1250mm、1020mm、940mmとなっています。
重さは3.88kg、3.27kg、3.11kgだそうですが、
この個体の騎兵銃は全長は同じでも重さが2.4kgしかありません。
銃身の外側が錆を落とすのに一皮剥かれてかなり軽くなっていそうですが、
さすがに違いが大きすぎるのでエンフィールド銃で無いかもしれません。
口径は同じで5条のライフリングもあるのですが。
全体的に細身です。




奥側が歩兵銃、手前側が砲兵銃です。
リアサイトは2つバンドと砲兵銃で位置が違いました。
サイト自体のデザインも違い、砲兵銃の方は古い銃に多いタイプのようですが、
エンフィールド銃はエンフィールド以外の各所で作られているので生産場所の違いもあります。
砲兵銃の方はBSA(バーミンガム・スモール・アームズ)製でちょっと特徴的かもしれません。


錆で見難いですが歩兵銃の銃口です。
5条のライフリングで、山側は細いので弾に食い込む断面が小さく、ライフリングとかみやすいかもしれません。

砲兵銃の方はBSAの3条と少ないライフリング。山側もかなり幅がありますが、実用上はあまり問題なかったのでしょうね。


手前の騎兵銃用リアサイトは歩兵銃のをそのまま小さくしたような立派なもの。
大きな射程は考えていないようですが単純化せずに作られています。


騎兵銃はリングハンマーです。もう少し前の時代の騎兵銃(カービン)では見かけますね。
指が滑る心配がありません。
全体が細身なこの銃はトリガーガードなども小さいです。


バレルも細く、騎兵銃のストックに歩兵銃のバレルは入りません。
軽く仕上げることを重視していたようです。
指揮官向けなんかもこのような軽量のものがあるので、そちらかもしれません。
刻印が無い(錆落としで消えてる)ので和製の可能性も考えましたが、
5条のライフリングがあるので海外製でしょう。
銃口から5cmぐらいまでは錆でボコボコで見難いですが、中にはちゃんと残っています。
外が一皮剥かれるぐらいなのに対して、中はそれほどは錆びていないのが不思議です。  

Posted by ラスティネイル at 22:39Comments(0)古式銃

2016年12月10日

薩摩筒



薩摩筒です。
鹿児島県登録なので作られてから登録までは移動してなかったのかもしれません。


登録証は口径0.8センチですが実際は0.83センチぐらいです。
薩摩筒は6匁と1匁が多いということですが、この個体は8分玉(0.8匁)のようです。
差し込んでいる棒は0.8ミリ径です。
銃口部はテーパー状に広がっていて10ミリぐらいになっています。
均等に広がっているので人の手が加わった結果ではないかと思います。
装填のために広げているのか、広がってしまったのを形を整えたのか。



フロントサイトは先端にポツンと銀色のものが付けられています。
リアサイトは小さいもので溝も細いですが、案外狙いやすいです。

バレルは最初から目釘がなく、バンドで取り付けられています。

台木は持ち手部分も含めて飾りがまったくありません。
後端の補強などもありませんね。


引き金は簡単な小さい用心金がついています。
火バサミはあまり上がりません。


火皿は特別大きな窪みになっています。
通常、火縄銃は点火薬に発射薬である黒色火薬を細かくして燃焼速度を上げたものを使いますが、
薩摩筒は発射薬をそのまま火皿に載せて撃てるようです。



銃身は無銘でした。
尾栓のネジはわりと丸い形状の山です。
火皿は逆ネジで取り付けられているのが特徴で、雨覆いは火皿との間に挟んで取り付けられます。

カラクリはネジ一本で取り付けられています。


鉄製のカラクリの縁が真鍮で飾られていると思ったら裏側は真鍮です。

真鍮はコの字になっていて鉄部を包んでいました・
可動部品が当たる側は腐食しにくい真鍮なのでしょうか。



カラクリ内の部品は基本的に鉄製ですが、ゼンマイは真鍮です。

薩摩筒は見た目はちゃっちいですが、実用性を求めて独自の進歩をしています。
発射薬をそのまま使える火皿、不発時や清掃時に簡単に銃身が外せるバンド、
ネジ一本で外せるカラクリなど。
特徴があるというのはコレクションとしては面白いですね。  

Posted by ラスティネイル at 22:31Comments(2)古式銃