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2021年01月16日

尾栓の長さ

尾栓の長さ
火皿が後ろの方にあり、雨覆の横に煙返しが付いた特徴の火縄銃の銃身2本です。
右は田布施流ですが、左は備前筒に近いけど、特徴が外れていて部品も足りず流派はわからず。
火皿自体も小さめですね。
銃身後端から火穴の位置は大体同じぐらいです。

尾栓の長さ
尾栓の長さ
尾栓を抜いてみると、田布施流の方は火穴の位置に合わせて明らかに短いのに対し、
左の方は通常より少しだけ短いぐらいの長さまであり、側面に火が回るように溝が切られています。
これを見ると、少なくとも左の方は尾栓が短いから火皿が後ろにあるのではないことがわかります。
田布施流の方も火皿を後ろにしたいがために尾栓が短いのかもしれせん。
この火皿の位置はカラクリとの関連なのか、操作性の問題なのか。

尾栓の溝を火が通っていくのは火が回りにくそうですが、
海外の前装銃だと後ろから火が回った方が点火から弾が出るまでのタイムラグが短いという話もあります。
クレー射撃や散弾銃での鳥の猟を行っていると大事になってくるようです。
火縄銃の場合はどうでしょうね。
ただ、毎回カルカで弾を前から入れていると、煤が後ろに溜りやすい気もします。
薬室の横に火道が通っているより、後ろに通っている方が煤で火道が塞がった不発は起きやすいのではないかと考えつつ、
確信は持てていません。
火道に十分な太さがあったり、発射ガスで煤が吹き飛ばされていればあまり関係ないかもしれませんしね。



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Posted by ラスティネイル at 02:01│Comments(5)古式銃
この記事へのコメント
初めまして。
この尾栓が、日本で初めてネジと言う機構が取り入れられた技術でしたね。
いくら固く栓をしたり、打ち込みピンで止めても火薬の爆発力で、尾栓が後方に抜けてしまう。
それと何より掃除するために尾栓が銃身から簡単に分解しやすくメンテナンス性に優れている。
良い画像見せて頂きありがとうございました。
Posted by プロップガンマニア at 2021年02月19日 16:02
初めまして。
尾栓は火縄銃を見る中でも魅力的な部分です。
粗雑なのも多いですが、驚くほど出来が良いものもありますから。
Posted by ラスティネイルラスティネイル at 2021年02月20日 01:58
ありがとうございます。
当時のネジは、現在の細目、並目よりも、もっとピッチが粗くガタの大きなネジだったでしょうか?それでも雄ネジ(尾栓)を雌ネジ(銃身)に締め切ってしまえば、ガッチリとロックする?
現在の自動小銃やボルトアクション式ライフルで言うボルトのロッキングラグがネジのギザギザに相当すると思っています。
余談ですいません。
もうひとつ、黒色火薬の原料で木炭、硫黄は日本でも豊富に手に入ったが、肝心の硝石が外国から輸入しなといけなかったそうですね。
輸入以外で、人口的に硝石を作る方法もあったそうですね。
Posted by プランガンマニア at 2021年02月20日 09:46
ネジ山が現代の60度ではなく90度なのもありピッチは大きいですね。
当時はピッチとネジ山が大きな尾栓が良い尾栓とされ、実際に丈夫ですし、多少摩耗してもネジのかかる部分が残るので火縄銃に向いています。
ピッチが大きくてもガタが大きいとは限らず、例えば画像の右のネジでピッチは約3.5mmですが、ねじ込みの最初は軸方向に0.4mm、締め切ってから半回転緩めて0.2mmぐらいのガタしかありません。
テーパーネジの尾栓の中には座面が当たりきる寸前にガタが無くなりネジ部が密着し気密を確保し、締め切るには力のいる洋式銃みたいな尾栓の銃も存在します。
とはいえ、ガタガタだったりピッチが一定でないものも多く、そんなのは仰る通り締め切ってロックで、座面で気密ですね。
かなり粗雑な尾栓でも抜けてしまうことはないようですが、漏れたガスで銃床内が黒くなっている銃は見かけます。

硝石を作ったり、軒下から集める方法はあったようですが、量は足りなかったみたいですね。
Posted by ラスティネイルラスティネイル at 2021年02月20日 22:05
なるほど。ありがとうございました。
精度の高いネジ成形するためのタップやダイスも無かった時代。
ネジが錆び付いて取れなくなった時に使うCRC556潤滑油なんて戦国時代に無かったですね(それに相当の油があったかも知れない?)
雄ネジと雌ネジの隙間から発火ガスが漏れて(逃げて)前方に鉛玉を勢い良く押し出すためのエネルギーのマイナスロスが生じますね。
戦国時代に金属素材が有っても、ゴムやプラスチック樹脂のパッキンなんて存在していないから漏れを防ぐ事が出来無かった。
当時は座面の密着でシーリングしていたんですね。
座面を磨いて表面粗さも細かくする技術。
刀を作る技術が鉄砲に応用されたとも聞きました。
特に刀身を作るための鍛造技術が、鉄砲の銃身を作るのに生かされたとか。

硝石についても、ご意見ありがとうございます。
古い家の床下の土から硝石の結晶が取れると言うのを聞いた事があります。
特に古い農家の家で、それを副業に収入を得ていた地域があったそうですね。
量も多く生産出来なくて大変貴重な資源だったのですね。
Posted by プロップガンマニア at 2021年02月21日 22:43
 
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