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2022年11月06日

昔の護身用


前回、弾の大きさの話を書いた時に書き忘れていたことがありました。
今回はそれについて。

古い小型拳銃には非常に威力の弱いものがあります。
例えばルフォーショーなどのピンファイヤーは口径が5mm、7mm、9mm、12mmとありますが、
日本で見かけるのは護身用の7mmと軍用の12mmですね。
この7mmも現在の弾と比べて小さい弾であるのですが、しかも黒色火薬です。
条件よりますが黒色火薬は現在の無煙火薬と同じ容積で1/3以下の威力のように思います。
やはり豆鉄砲かなといった気がしますね。

当時は必要な威力の情報が出回っていなかったのもあるでしょうし、
銃で撃ち合うということは考えず、銃を持っていない相手を追い払うぐらいの感覚もあったかもしれません。
弾が当たらなくても、音がして銃を持っているとわかれば逃げるとか、
もしかすると周りから銃声で人が来るのを期待しているのかもしれませんが、
ブランクカート(空砲)のみで護身用なんていう場合もあります。
単純に小ささに挑戦とか、アクセサリーや玩具的な用途がメインの銃というのもあるでしょう。
古い時代の実態というのはなかなかわかりませんが、常識が現在と違うというのはよくありますね。
  

Posted by ラスティネイル at 01:17Comments(0)古式銃

2022年09月14日

ブラウンベス?


自分の持ってる銃がブラウンベスと呼ばれる場合もあることを知る。
いえ、スムースボアでサイトもない時代の銃は興味が薄いのですが、
エンフィールド銃が好きなので、エンフィールド銃より古いエンフィールド造兵廠(が実際の製造かわかりませんが)の銃として購入。
ブラウンベスと言えばフリントロックですが、パーカッションコンバージョンタイプという人もいるんですね。
まあ、口径とか諸元を見るとブラウンベスに類しますし、通称なので多数がそう呼べば間違いでもないと。


この銃が最初からパーカッションなのか、後から作り変えられたかわかりませんが、
カラクリの形状はいかにも火皿が乗りますって丸みですね。
クラウンマークとTOWERの刻印あり。


こういう風に彫られているのってゲベール銃とか初期のパーカッションが多い気がします。  

Posted by ラスティネイル at 23:12Comments(0)古式銃

2022年08月27日

あまりに軟らかく


モンキーテイルの銃身の特殊なライフリングを手入れおよび撮影するために、銃身にねじ込んであるレシーバーを外そうとしたら、
そう大したことのない力でレシーバーがグニュっと捻じれて・・・。
変形した感じもしたのでブリーチも入れてみて入らず、泣きたい気持ちで反対に回したらスムーズに入るようになりました。
元が四角いわけではないので元の正確な形がわかりにくい反面、捻じれていたのがわからないぐらいに修正できました。
しかしながら。画像中央部のレンチをかけていた部分が凹みました。
ちゃんとモンキーレンチが平行にかかるところを探したのですが、捻じれてしまうと変な当たりになりますね。


凹んだ周りは出っ張っているので、その部分を叩いて肉を凹んだ部分に戻しました。
完璧ではありませんがぱっと見はそんなに気にならなくなりました。
知らないんとわからないかもしれないぐらいなので、古式銃では多々ある傷の一つぐらいの感じでしょうか。
鉄は変形させたら削って整えたりせず、叩いて直すのです。欠損してなければ割と直ります。


洋式銃ではエンフィールド砲兵銃と並んでお気に入りのウェストリー・リチャーズ騎兵銃なのでレシーバーの捻じれが直せて良かったです。
分解と銃身の手入れは一時諦めます。
いつかはどうにかしたいですが、壊してしまっては仕方がないですからね。
それにしても、パーカッション式の新しい方の時期の洋式銃なのに焼きが全く入っていなく、
火縄銃の尾栓より軟らかいぐらいとは思いもしませんでした。
銃身の方は流石に焼きが入っている感じでしたけどね。


組んでみるとさらに凹みがわからない感じですね。
モンキーテイルは後装銃のシステムとしてはレバーをパカパカ動かすだけで、
操作が容易過ぎて面白くないのですが、全体のデザインは非常に気に入っています。
金属薬莢を用いないので排莢もないんですよね。
  

Posted by ラスティネイル at 13:25Comments(0)古式銃

2022年08月17日

和製ヤーゲル銃



和製のヤーゲル銃です。
全長112センチ、口径は17ミリ弱あります。
7条のライフリングによりゲベール銃より飛躍的に命中率が高い反面、
装填時に弾をライフリングに食い込ませないといけないので力が必要で装填に時間がかかるとされています。
古い日本の書ではゲベール銃を歩兵銃、ヤーゲル銃を狙撃銃と書いている場合もあるようです。


エンフィールド砲兵銃よりちょっと長い程度。
命中率重視の割には短めです。
短い銃身でも当たるからなのか、長いと余計に装填が大変だからなのか。
何故かトリガーガードが小さいですが、問題となるレベルではないですね。





ハンマーはセーフティコックとフルコックです。
そこらへんはゲベール銃と同じですね。
海外製のものはセットトリガーが搭載されているものも多いみたいです。
強力なバネのハンマーをロックするシアは重いので、
それよりは軽いバネの小ハンマーをもう一つ取り付けて、
その小ハンマーでシアを叩くことでハンマーを解放するようなシステムです。
小ハンマーを作動させるだけなら、軽くキレの良いトリガーにできると。


裏側のロック取付用ネジ付近はこんな感じです。




高級なものは装飾が付く文化が昔は一般的だったのか、
和製でもそれをコピーしたからかトリガーガードやロッドガイドは装飾的です。
ちょっと垢抜けないですが、真鍮に厚みがあるので重厚感はあります。



フロントサイトは真鍮製。
バレルはテーパードのオクタゴンバレルですが、マズル付近はまたちょっと太くなっています。
そこらへんは火縄銃的ですね。
銃身は和製ではあまり見ない薄いものになっています。
確証はありませんが鋼製かなと思っています。
そんなに軟らかい感じもしませんし、軟鉄ではすぐにライフリングが駄目になるでしょう。



リアサイトは2段式で、大きなV時の底に小さなノッチがあります。



ストックは丸いネジの頭が出っ張ていて邪魔ですが、
ここも厚めの真鍮のバットプレートが付いています。


ロックもゲベール銃に近い機構ですね。


トリガーガードはネジ一本とピンで固定されています。
トリガーのところの鉄の部品を銃身のタングを固定するネジの受けとなっています。
特にトリガー軸などにはなっておらす、トリガー軸は木部の穴だけです。



トリガーガードには二と漢数字がしっかり彫られています。
その上にも薄くただの棒のような二がありますが、二十二なのか、二を二回書いただけなのか。



銃身後ろを見ると銃身とプラグ(尾栓)のネジの境目がほとんどわかりません。
組合わせた後に削って整形しています。



外したネジはネジ山が密着していたからかほぼ錆がありませんね。
あまりテーパーもついていないネジで密着しているのでなかなか凄いです。
後ろから見て右側の一番後ろ部分が開いた時に欠けてしまってます。


尾栓のついた状態で整形してるから銃身にも段差がついています。
メネジも綺麗な状態です。


尾栓を付け直したら一部に隙間が。
これは整形するときにただ削るのではなく、叩いたりして均して慣らしていましたね。
一番隙間が無くなる方法ですが、噛み合っちゃってネジが外せなくなり、今回は最初に凄い力が必要でした。
一度外してからは当初と比べてかなり軽く回るようになりましたが、ちょっと美しさに欠ける見た目になってしまいました。
さすがに、150年前の物をメンテナンスしようと思うと外さずになできないので仕方がないのですが・・・




そして、7条のライフリング。
この頃のは尖っていて星みたいな形状のものが多いのですが、これは平らな溝のライフリングですね。
ツイストもそれなりに急です。
何故か薬室から100ミリぐらいはライフリングが無くなっています。
命中率はどうなってしまうのか。







ボアスコープで薬室から銃口方に進んでいった画像です。
効果がなさそうな浅いのが段々深くなっていっています。
手彫りなので溝に酔歩があったり、溝が少し幅広くなっているところもあります。
これも命中率にどう影響するのか。
また、最後の画像では溝の中の段差がどの溝でも同じようについているのが興味深いですね。


メネジのネジ山ですが、拡大されすぎちゃってよくわからないですね。
ボアスコープは見たい範囲やピンとが合いにくく、割と観察が難しいです。
ちゃんとした値段の物なら使いやすいのでしょうか。
日本では銃身のメネジをどうやって切ったかというのがよく論争になります。
銃と作るうえで基本となる部分なのにわからないと。
海外ではタップがあったけど、日本にはタップなどなかったのではないかと。
ちなみに、海外はタップと言われていますが、エンフィールド銃を見てると旋盤のようなもので加工していますね。
でもって、日本では初期のタップのようなもので加工したというのと、
オネジを入れてから外から叩いて鍛造でネジを転写したというのが主流の二つですが、
当時は色々な方法があったと思いますね。
製造方法なんて目的を達成できればいいので、色々あるものなのです。


今回のヤーゲル銃をネジの切り上がりを見ると溝がなだらかに浅くなっていって無くなっています。
タップではタップの刃が止まったところで螺旋に対して垂直に溝が止まりますから、タップではなさそうです。
ちなみに、この切り上がり部分は尾栓のネジより奥まで切られています。


実は切り上がりがもう一か所あって、こちらは最後にピッチが狭くなって前の溝に近づいて切り上がっています。
画像の上の方の部分です。
他の火縄銃を見ているとこちらが本来のようです。
先の画像のは前工程で掘り進み過ぎた感じでしょうか。
タップでは途中でピッチを変えるのは難しく(山の処理でそう見えることはあります)のと、
切り上がりが二か所できるというのもあり得ないことです。
もちろん、尾栓に対して銃身を鍛造した場合も普通はありません。
尾栓の位置が違う状態で鍛造していればあり得ないわけはないですが、おそらく違うでしょうね。
そうすると、一本物の刃物で手彫りの可能性が高いです。
ガイドのようなものを使うのか、刃に目印でもついているのか。
まあ、長い銃身内のライフリングを手彫りで彫れるぐらいですから、
浅い位置にあるメネジぐらい難しくないのかもしれません。
文献が残っていなければものを観察するしかないですね。
  

Posted by ラスティネイル at 01:31Comments(2)古式銃

2022年08月14日

土佐の鉄砲


土佐製のの火縄銃と管打ち銃です。
最近、ちょっと気が緩んで?5万円前後の鉄砲を4本ほど買って当りだったり外れだったり。
下の管打ち銃は当たりだったものですが、他は手放して次の銃の購入資金にでもしようかなと。



エンフィールド銃と軍用火縄銃も並べるとこんな感じです。
とても小さいのです。長手方向はそのまま細くしたような作りです。
小口径で小さい土佐筒も土州の銘が入ったエンフィールドっぽい小さいのも割と多く残っています。
これは子供用ですね。武士の子供の訓練用なのか、それも含めた玩具なのか。
土佐筒は侍筒などの口径の大きな物や火縄銃を管打ちにしたものも多く見かけますから、
土佐藩は鉄砲について、実戦も考えて力を入れていたのがわかります。
  

Posted by ラスティネイル at 23:31Comments(0)古式銃

2022年08月14日

バーナーで炙る


夏休みで時間もあるのでのんびりと尾栓外し。
まあ、和製ヤーゲル銃とエンフィールド銃の銃身なので尾栓というよりプラグでしょうか。
真っ赤になるまで熱すれば簡単に外せるなんて言う人もいますが、
あんまり温度を上げると問題も起きるので考えながらやる必要があります。
今回はバーナーの火力は立派ですが200℃ちょいまでしか上げませんでした。
尾栓外し前の準備ぐらいな感じですね。
鋼じゃなくて軟鉄に近い火縄銃なら長時間じゃなければかなり高温でも大丈夫なのですが、
ライフリングがあるような銃は大抵が鋼製で熱処理で硬度が上げてあるので、
あんまり上げると余分な焼き戻しで軟らかくなってしまうのです。
それこそ真っ赤にすると焼きなましになってしまったり、冷やし方が悪いと脆性の組織になるので注意が必要です。


エンフィールドのバレルは4本目のプラグ外しです。
これは研究用に入手したバレルのみのもの。



プラグを外しても火薬の汚れが銃身を塞いでました。
中央付近で2~3ミリの厚さで、角はもっと残っています。
火縄銃の説明で尾栓は掃除や不発の時に絶対に必要というのをよく見かけますが、
日本でも洋式銃だとプラグを外さずに銃口からだけ掃除していてこのように汚れているものはあります。
逆に何回も外して緩くなっているものもありますから、使用者次第でしょうか。


今回の和製ヤーゲル銃(上)と和製洋式管打ちピストル(下)のプラグを並べてみました。
気密のためしっかり密着していたので錆がほとんどないですね。
エンフィールド銃のプラグと違って山が大きく鈍角の火縄銃と同じようなネジ山ですが、
火縄銃がネジの頭の座面で気密を取るのに対して、ネジ山の密着で気密を取る高度な技術のものです。
慎重にたまに挑戦しては諦めてで入手してから外すまでに一年以上かかりました。
結局のところは単純に力が必要でした。



薬室側からと銃口側からバレル内を見たもの。
一応ヤーゲル銃なのでライフリングは7条です。
手彫りなのか完全な綺麗な螺旋ではなく微妙にうねっているのがわかりますでしょうか。
画像だとちょっと辛いでしょうか。
これで命中率がどうなるのか気になるところですね。


そして薬室から100ミリぐらいはライフリングがありません。
薬室に向かって溝が浅くなっていって無くなっているのです。
故意になのだと思いますが、これも命中率にどのような影響を与えるのか。
そもそも、弾は丸いのか、紙やパッチで包むのか、想定された使用方法がわかりません。
ヤーゲル銃だと球状の弾をパッチに包んでというのが一般的ですが、
ライフリングの形状がそれっぽくないんですよね。  

Posted by ラスティネイル at 03:08Comments(0)古式銃

2022年08月07日

着剣ラグ



うちのエンフィールド砲兵銃は着剣ラグはないもののついていた跡は残っていました。
銃身の茶色くなっている部分です。
オリジナルの外観に近づけられるようにラグだけ銃身から外されているのが売られていたのを入手してあります。
今は載せたりしてみているだけですけどね。
オリジナル性や軍用銃らしさには大事ですが、実際のところこの出っ張りは邪魔です。
銃身を外して洗うときなんかもきっと引っ掛かります。
ある意味、リアサイトなんかよりずっと外される理由がわかります。


錆び色だと全体で見ても浮いていますね。
以前のニップルプロテクターと合わせて当時の部品が揃った状態になりました。
まあ、この銃は元々トリガーガード部のスイベルを後ろに移して、
その穴にニップルプロテクターのチェーンを着けているのですけどね。
リアサイトも古いタイプですし、ネジも独自規格だったりちょっと変わった銃です。
これがエンフィールド銃っていう資料には向きません。


2バンドと比較するとラグより後ろの銃身が出ている部分はちょっと短いですね。


そしてラグを並べてみると結構大きさが違うのがわかります。
2バンドの方が一般的なやつより細身な気がしますね。
なお、ラグに打たれている番号は銃の他の部分とは関係が無く、
銃剣に合わせた番号となっています。
きっとガタ無きよう調整されているんでしょう。
ちなみに、同じようなテーパーの銃身を短く切ってある砲兵銃の方がマズル部が太いです。
逆に3バンドはもっと細くなるので、個体差も含め銃剣の穴の方も銃に合わせてある必要があります。  

Posted by ラスティネイル at 14:14Comments(0)古式銃

2022年07月08日

エンフィールドのネジ


エンフィールド銃は美しい銃だと思いますが、たまたまデザインが良いというだけの話ではないです。
トリガーガードを留めるネジを見ても、ネジの頭がトリガーガードの曲面に合わせてあり、
邪魔な出っ張りが無く、見た目も上品。
マイナス溝も縦になるようにしてあり、手を前後に動かすときもひっ掛からず、見た目も統一感があります。


ネジの頭が長い状態で一度ストックにねじ込み、外して縦方向に溝を入れ、
取付後にトリガーガードの曲面に合わせて削っていると思われます。
手間をかけた加工です。


90°緩めると単にネジが浮き上がっただけではなく、周りの形状と合わなくなります。
なので、ネジ溝が変な向きを向いている個体は、一度バラしていてネジの曲面が合っていない可能性が高いです。



バットプレートのネジも同様です。
特に上の角は曲率が大きいですね。
もちろん、これらのネジは互換性がありません。


手前のウエストリー・リチャーズも同様に加工されていますが、
奥のウィルソン銃は普通の丸いボタンネジのようなものがついています。
こういうネジの銃が多いですね。


ウィルソン銃でもバットプレートは出っ張りを嫌ってかエンフィールド銃と同様になっています。
全ての個体がそうかはわかりませんが。  

Posted by ラスティネイル at 00:31Comments(0)古式銃

2022年07月04日

錆び落とし


日本銃砲史学会用に論文を書くのに写真を撮るための火縄銃の錆び落としをしていました。
前の持ち主が薬品かなんかで錆を落とそうとしたのか、鉄の地の銀色っぽいところと茶色いところがあり、
自然な黒い部分がほとんどありません。


銀で出来た部分も磨きましたが、前の画像と違いが判るでしょうか。
以下、錆取り前と錆取り後を並べてみます。








自然な黒い色に近づいた気はしますが、まだ赤錆が残っていますね。
鉄の地が出ているところは黒染めしないとダメでしょうか。
全部磨きあげて黒染めすれば見た目は綺麗になるのでしょうけど、あまり好きじゃないんですよね。


割とどうしょもない銃の相手ばかりしていて、

お気に入りに銃に触れる時間は短い気がします。
それが悪いわけではありませんが、何とも微妙な気分です。
画像ではぱっと見でどちらも同じような火縄銃でしょうか。
  

Posted by ラスティネイル at 01:08Comments(0)古式銃

2022年06月19日

ニップルプロテクター


エンフィールド銃の特徴という人もいるニップルプロテクター(火門蓋)を購入して取り付けてみました。
今までにエンフィールド銃は何丁買っていますが、どれにもついていなく、
エンフィールド銃が好きだというなら使ってみなければと思ったため高かったものの購入。


本当は更に革製のクッション材が上側についているようですが、それが残っているのは日本では見たことがないような。
購入時から手前側が丸く光っているのは、前の銃でそこに当たっていたのでしょう。
クッション材が無いとハンマーがニップルを叩かないのは確かですが、
やはり当初の役割を果たしていないのでありがたみは無いですね。


裏側はニップルのレンチのかかる四角い部分合わせて四角い穴になっています。
雷管を着けたままニップルプロテクターを取り付けられるわけではないので、
安全装置などではなく、本当にニップルを守るだけ。
しかし、空撃ちでもしない限りは無くてもニップルが傷むことはないような。
革のクッションがニップル上部の穴を塞ぐならば、マズルプラグ(銃口蓋)と合わせて銃身内に水が入るのを防ぐとかにはなりそうです。
正直、あまり必要性を感じず、下手をすると邪魔なだけ。
日本で残っているのが少ないのは邪魔で外されてしまったかもしれませんね。
何かに引っかかったりしますし、それこそ動き回った後に銃身やら銃床の上(ニップルの後ろあたりに乗ると撃つときにハンマーが下がりきらず不発になる可能性があります。


ちなみに、この個体はチェーンが残っていてニップルプロテクターだけ無くなっていたので、
故意ではないとわかる反面、引っかかるのは確かなのでしょう。
まあ、チューンだけ残ったのをそのままつけて射撃したり洗浄したりしている人間に邪魔だと言われてくないでしょうけど。
あとは銃床に傷が付く原因なのも気を付けないといけないところ・・・  

Posted by ラスティネイル at 00:03Comments(0)古式銃

2022年06月17日

良いと思ったものの



虫食いの銃床の穴を埋める木片を作るために実家からカラクリがエンフィールド系ジャンクの銃床を取ってきました。


ボロボロですが後装銃の銃床ですね。
フレームやバレルを下からネジで固定するようになっていますね。


色がかなり白いですが、木目は割と密ですね。


画像の中心部を少し削りましたがあまり色は変わりませんね。


削った部分に亜麻仁油を少し塗ると色は若干濃くなりました。
それでも修理したい銃床の塗装を剥いだ部分と同じぐらいですね。
黒い塗装を剥がして油を塗り直すつもりですが、着色はするつもりがないので色は揃えておきたいところ。
直す方はかなり柾目の度が強い銃床なのも気になりますが、修理に関してはあまり関係ないでしょうか。
適当な木材や銃床を買うか、もう一度実家に行って散弾銃のジャンクの銃床か何かで色が良さそうなものがあるか探してみます。
同じ時代のエンフィールド系の銃床が一番だと思ってはいるのですが、買おうとしても高額ですし、
エンフィールド系でも木の種類に差があるかもしれませんね。
  

Posted by ラスティネイル at 00:50Comments(0)古式銃

2022年06月07日

虫食い


銃身の修復の目途が立ったエンフィールド銃は銃床の方にも手を出すことに。
と思ったら虫食いが多い。

穴の見えるところだけでなく、表面に沿って空洞が合って薄皮だけになっているところも多い。
自分が持っている間にこんなことになっていると悔しいような情けないような。
キクイムシの殺虫剤を探しつつ、二年ちょっと前のヤフオクの画像を見てみるとすでに結構虫食いが・・・
こんなに酷かったっけと記憶力の無さが発覚しただけでした。
画像で全箇所見れはしませんが、確かにあったのを思い出しました。
多分、広がってもいないですね。
銃身を外したまま一年ぐらい経ってます。
しかし、どうやって修理すべきか。技術はないけどパテも好きじゃない。
後はオイルを塗り直さないといけないのですが、オイルを塗り直す前に修復すると後で色が合わなくなりそうで、
オイルを塗った後に修復だとオイルが染み込んだ部分は補修のためのものがくっ付きにくそうですね。
我ながら直したところでそんなに良い状態にならないものに労力をかけてるなとは思いますが、
古い銃が銃として蘇るのも浪漫かなと思います。
まあ、高いのは買えませんし、手を加えるのも怖くなりますけどね。

ところで、火縄銃は洋式銃と比べると虫に食われている率がかなり低いような気がします。
木の質よりは表面処理の良さでしょうか。  

Posted by ラスティネイル at 00:17Comments(0)古式銃

2022年06月02日

ダイヤモンドドリル


折れた尾栓の中で折れた2mmのドリルを取り除くため、ダイヤモンドドリルを買ってみました。
中が中空なのでドリルを削らずに、ドリルの外だけ削って除去する算段です。
元々4mmちょいまでは広げる予定ですしね。
ドリルもそんな深くは入れなかったので何とかなると良いのですが。
アマゾンで10本セットで1200円と驚きの安さで、昨日頼んで今日届くのはやはりすごいです。
使うのは週末の時間があるときにするものの。


そんな安物なのでまとめて入っていました。
これは開封後に入れ直した画像ではありますが、ダイヤモンド工具が工具同士当たる状態で入れられているとは。
使う予定じゃない径の一つは先端が変形して丸じゃなくなっているのもありましたしね。
ダイヤモンド工具は母材を割と単純な形にした後でメッキでダイヤモンド砥粒を電着するだけなので割と簡単にできるのでしょうね。
チューターのビットでも超硬ビットなんかの方が複雑な形状でエッジも立てなければいけないのでダイヤモンド工具ほど安物はない気がします。
まあ、それでも十分安いものもありますが。
今回のドリルもダイヤが着いているからには削れないことはないのでしょうけど、すぐにダイヤが落ちないように少し優しく使うことにします。  

Posted by ラスティネイル at 01:19Comments(0)古式銃

2022年05月31日

地道な作業の末


エンフィールド銃の3バンドの潰れていたニップルを取り外せました。
前にプラグ(尾栓)は外せていたのですが、ニップルの先端が無くレンチかけ部分も欠けていたので取り外しに時間がかかりました。
錆で強固に固着していたので、欠けていた残りにしっかりかかるようなレンチを作ってもニップルがさらに欠け、
マイナス溝などを掘ってもやっぱり破損して取り外せず。
ニップルのネジ自体を削って除去するにも焼きが入っていて硬いので、ドリルも歯が立たずリューターで少しずつ穴を広げていってました。
リューターでも時間がかかって飽きるので、毎日風呂を沸かしている時間に少しずつ削っていました。
まあ、リューターで削っているのはこれだけでないのですが。
オネジの穴を広げてネジ山だけにしても、メネジに固着したネジ山が外せなかった(硬くて折れやすく、曲げて取り除きにくかった)ため。
インチタップまで買って、それを使ってようやく除去できました。
タップは一山最初にかみ合わせられたら結構上手くいきましたね。
これでまともな形状のニップルが取り付けられるので、あとは銃身内にブラシを通して錆を取れば射撃も可能な状態になりますね。
ただ、3バンドの39インチ(1メートル弱)銃身にブラシを通して錆を落とすのも非常に骨が折れる作業ですが。

今日は定時で帰ったのでたっぷり時間があり、ニップルの除去が終わった後は、先日買った5分玉(約6mm口径)の火縄銃の折れた尾栓外し。
購入時から尾栓の頭が無く、少し奥まったところで折れた状態です。
ネジの内径も7mmぐらいなのであまりとれる手段が無いです。
左ネジのタップを切って、ネジを入れて叩いたり回したりしながら取り外そうと、まずは1.5mmのドリルを通すとなかなか真っ直ぐ開いて満足。
ちょっとずつ広げようと2mmドリルと通して抜くときにあっさりと折れて・・・
抜くときに逆回転にさせちゃったんですよね。
ドリルもリーマーも逆回転だと抵抗は減るのですが、逃げキリコを噛んでしまいがちで本当はよくありません。
さて、ハイスのドリルを取り除かなければならないので、これも地道なリューターコースですね。
ハイスは超硬ビットでもダイヤモンドヤスリビットでも大して削れる感じがしませんが・・・  

Posted by ラスティネイル at 01:08Comments(2)古式銃

2022年05月29日

たまにはお勉強


古式銃については実物を触るだけではなく資料でも勉強して理解を深めていかねばなりませんが、
当時物の手書きの物はほとんど字が読めず。
印刷物の時代の物になると字は読めるので大変助かるのですが、そのまま載せてある分はやはり理解が難しいですね。
古文書の読み方をしっかり理解するのは諦めて、何回か読んでたら段々と理解していくだろうぐらいに繰り返し読んでいます。

古式銃自体の手入れも続けていますが、地道かつ地味な作業ばかりでブログに載せるような段階にはなかなかならないですね。  

Posted by ラスティネイル at 01:11Comments(0)古式銃

2022年04月09日

取って付けたような


真ん中の五分玉(6.8mm)ぐらいの火縄銃をヤフオクで入手しました。
まだ手入れをしっかりしていないので正確な口径はわかりませんが。
下の三分玉、上の八分玉と外観の華奢さは同じようなものですね。
パイソンと比べて華奢なのがわかるでしょうか。
手持ちで二番目に小口径な銃となりました。


正直、部品の欠品や破損などもあり、同じぐらいの普通の火縄銃の3倍、想定の2倍ぐらいの額になりましたが、
小口径ということで無理して買ってしまいました。
それでも満足しているのですが、後から付けられた飾りだけは不満です。
前提的にとてもシンプルな銃なのに、柄の空いているところに代わりを釘(鋲?)で止めましたと安易に価値を上げようとした感じです。




ただ、空間を埋めるために並べただけのような配置で、木部の上に乗っている感じです。
もしくは、載せただけの段差をパテのようなもので滑らかにな斜面にしようとしていた痕もあります。



最初からついている飾りはこの銃のように木部が飾りに合わせて彫ってあるのでほとんど出っ張らないのです。
逆に言えば、剥がしても釘の穴ぐらいしか残らないので目立たないように剥がせそうですね。

こんな飾りを後から付けられたのもこの銃の歴史と言えば歴史なのですが・・・そんな昔でもないと思いますね。
いつでも剥がせると思えばこのままでもいいのですが、全くもって不似合いです。  

Posted by ラスティネイル at 03:00Comments(0)古式銃

2022年04月03日

12/100丁の軍用火縄銃



四匁三分玉(口径約14mm)の軍用火縄銃です。
この銃は珍しいことに銃身が一本の目釘が前にあるのみで固定されています。
普通は2~4本で、一本というのは短筒ぐらいですね。
戦場で何かトラブルで急いで尾栓を外したいなんて時には一本だと早いでしょうけど、
それでもそんな余裕があるかはわからないです。
全般的に飾り気のないものになっています。


いつもの二匁と比較。
口径が大きい分だけ全体的に太いです。
銃身後部を揃えて並べると銃身が短く、柄が長いです。
いえ、柄の長さはこれぐらいが普通なのですけどね。



実は銃床の墨書きが購入の大きな理由の一つです。
どこかで100丁作ったうちの12丁目らしいです。
50番ぐらいまでの番号を見たことはありますが、本当に100丁作ったとなると多いですね。
しかも、みんな四匁三分玉ということなら、火縄銃はみんな口径がまちまちと言えど、
同じところに配備したものは口径を揃えていたとわかります。
まあ、そこはある意味当然ですし、銃を見るより当時の注文書を見た方がわかりやすいはずですけどね。
台師の名前はあまり見ない名前です。


銘は普通に国友で江州国友源右衛門 充胤です。
この羊羹色は刀の茎と同じで、日本のものらしい自然な色です。



銃身と尾栓にも十二とあります。


尾栓もそれなりに出来が良いです。


銃身を固定する目釘が前方に一本だとすると、銃身後部は尾栓が銃床に入っていることで固定されるのみです。
じゃあ、尾栓と銃床はピッタリなのかと言うとこれもまあまあぐらいですね。
固定される感じはありますがタイトではありません。
そもそも銃身下面は銃床の溝にしっかり当たっているので、尾栓は上に行かないようにだけしてあればいいのですけどね。
ピッタリなものを見てると他の銃にも期待してしまうのです。
目釘をなくすぐらいだから工作には自信があるのかなとか。
まあ、組み立ては大変になるのですけど。



カラクリはカニ目式の内カラクリです。
鋲がバネの固定も兼ねていますね。
面白いのが引き金の軸が珍しく金属製で、しかも穴が貫通していないので表側から抜けるようL字になっているようです。
外してみようと思いましたがなかなかきつく、無理すると銃床に傷が増えそうなのでやめました。
少なくともサイズの合った抜き治具でも作らないと上手く抜けなさそうです。


金具師の打刻は榮でしょうか。
火挟の軸を止める閂も金属製です。




本当に飾り気がないですね。
普通は火縄消しの穴(左側からの非貫通)がある位置に貫通穴(火縄通しの穴)が開いているのも独特ですね。
飾り気はないけど火縄銃としては個性が強めです。


盗人金(シア)が鉄なので、火挟の当たる部分も鉄がインサートされています。


火蓋は火皿と煙返し(後ろの板)ともピッタリで良く出来ています。



火蓋の取手の丸い形状に合わせて煙返しの下側も丸くしてあります。



照門は普通の形状です。
照星も特別ではありませんがどっしりしています。

思っていた以上に面白い銃で満足しています。
あとは一緒に作られた銃がどれだけ現存しているか気になるところですね。  

Posted by ラスティネイル at 02:10Comments(2)古式銃

2022年03月12日

暖かくなってきたので


暖かくなってきたので、作業場が寒くてサボりがちだった銃の手入れを再開しています。
外に出ると花粉症で頭痛や胃痛、眼、喉、皮膚炎と何でもありな状態なのであまり喜んでばかりもいられませんが。
WEAVERのドライバーはしばらく使っていますが、よく帰る実家にも1セット置いときたいぐらい使い勝手が良いです。



この銃のロックにはハーフコックノッチの手前にフライという部品があります。
ハンマーを起こすときは働かないのですが、ハンマーが落ちる時にはハーフコックノッチを(位置は横方向にズレていますが)覆って、
シアが当たらないようにしています。
トリガーを一瞬しか引かなかった場合や、フルコックノッチが摩耗してきて引き金を絞るように引いた時には、
ハンマーが落ちていく最中にハーフコックノッチとシアが激突する可能性があるので、それを防げる部品ですね。
ハンマーをフルコックにしてからハーフコックにするには、一度ハーフコックノッチよりも下せばフライがリセットされます。
現代銃のハーフコックノッチがあるものでもついてないことからわかるように、基本的に不要な贅沢な部品です。
衝撃でハンマーが不意に落ちた時もハーフコックにならずに弾が出るので、安全性からしてもない方が良いぐらい。
ただし、セットトリガー付きでハーフコックのある銃には必要になります。
セットトリガーは一瞬しかシアを動かさないので、フライが無ければおおよその場合は弾が出ないわけです。
フリントロックやパーカッションロックの時代は大きくて重いハンマーを強力なバネで動かしていたのでどうしてもトリガーが重くなりがちで、
命中率を求めるとセットトリガーが重要になっていました。  

Posted by ラスティネイル at 02:37Comments(0)古式銃

2022年02月08日

尾栓を並べる


右の三分玉から左の五匁まで口径順に尾栓を並べたものです。
しばらく前に撮ったもので、今はもう持っていない銃のも含まれていますが。
まあ、画像では出来の良し悪しはわからないですよね。
状態の差はわかっても。
出来の良い尾栓はそれを見てるだけで惚れ惚れする良さなのですけどね。
銃身に入れてしっくりしてるとまた素晴らしいなと。
画像を見ると尾栓の長さは太さに比例するわけでもなく、
ネジ山の大きさやピッチもそれぞれだとわかると思います。


こちらは前回の画像の撮影以降に手に入れた、尾栓の外れた銃の物を撮ってみました
八分玉から昨日の四匁まで。
こちらは割と状態の良いものですね。
しかし、ネジ山も形がはっきりしているかは見てわかりますね。
傷んで形が崩れているのもあるのですが。

ネジの精度で言えば田布施流のものが精度的に素晴らしかったですが、今は手元にないので撮影できず。  

Posted by ラスティネイル at 01:56Comments(0)古式銃

2022年02月07日

尾栓の出来は


銃身が外せた火縄銃の尾栓を二日間油に浸けておいたので外してみました。
まあ、状態が良かったので普通に抜けるだろうと、
タイトな錆びついていない尾栓を外すのとちょっとぐらいの力までかけるつもりで回してみたところ、少しタイトかなぐらいの力で外れました。
まあ、角度的に尾栓が締まりきっていなかったので、最後まで締めようとするとかなりタイトだと思いますが。
頭に傷も付かずに済んで満足です。


最初からこれだけ鉄の地が見えているようなネジはオネジとメネジが広い面で当たっている安心できるネジです。
回すのは固いけど一部しか当たっていないようなネジもありますから。
ネジの減りもほとんど見られませんね。
見た目でわかる程度にネジの径(山の高さ)や角度、ピッチがふらついていますが、
80点ぐらいの出来でしょうか。
しっかり角が出ていて、見る限りネジ山等しく並んでいる(文句がつけられない)のを100点、
実用上使うのに不安が無いのを40点ぐらいだと考えてですが。
80点は高得点です。
さすがに手作りのネジでバラツキが見えないなんてほとんどないですから。
まあ、そもそもそんなに精度が必要かですね。
  

Posted by ラスティネイル at 01:32Comments(0)古式銃